【開園記念展・木村正彦・小林國雄・鈴木伸二・井浦貴史・各先生に感謝!】

「百年の初め」に相応しい日本の名樹を集めた開園記念展が無事に終わり、
ここより、長く続く「芳春院盆栽庭園」が静かに始まります。
日本を代表される盆栽作家の皆さんが、私の想いにご協力下さって、
ご本人を代表する盆栽を、この庭園の“柿落とし”に華を添えてくださった事は、生涯忘れません。

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禅の聖地である大徳寺、“茶聖“千利休と三千家の墓所、戦国大名の塔頭群、その中心に造られた盆栽庭園。

ここから、この庭と盆栽達を守り訪れる多くの方々に、盆栽と水石を伝える事が、私の62才よりの務めとなります。

盆栽はどちらかと言えば、狭義なマニアのものとして、戦後豊かな趣味として発展しましたが、
造形美や“作る・育てる“と言う楽しさが、前に出て、古来よりの盆栽に対しての美意識・美学、
と言うような世界観を愛好家や世の中に伝える部分が、疎かになりがちでした。
この庭園が、禅や茶の湯と言う、日本文化の根幹を成す象徴的な地に創設されたことで、
初めてここで盆栽水石をご覧になる方々の意識を、更に文化的な視点で感得していただける事を願っています。

設立者である芳春院ご住職の「開園に際して」の言葉に、
盆栽は「自然のどこにでもある仏性」の象(かたち)として作り出され、「生きる禅・哲学」である
とする言葉を頂いた事は、この庭園に携わる事になった喜びです。
7日より、連綿と続く「芳春院盆栽庭園」が、時々の盆栽を入れ替えながら始まります。
静けさに包まれた禅林の地で、佇むように盆栽達とゆっくり会話を楽しんでいただける事を願っています。

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