国風展・日本の水石展・と、早春の一大催事も無事終了。
業界人として目のまわる2週間でした。

羽生の庭に帰ると、梅の盆栽の数々が、蕾から美しい凛とした花を咲かせていました。
展示会と商売に追われる刻を終えて、寒気の中でも、楚々と咲く姿を見ると、
人の気忙しさが他愛もない位に、自然はありのままに時を刻んでいる事を感じます。

半月ぶりに、応接室の床飾りをしました。

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盆栽と掛軸を使った「雪月花の飾り」
野梅青軸系の貴賓「月影」。


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昨年手に入れて、鉢合わせをしました。
月影は、花弁に萼の青さが透き映り、淡い萌色を見せてくれます。

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愛好家が相当長く愛培した事が、古感見事な幹味に感じられます。


掛物は、江戸時代後期に京都で活躍した“四条派“の画家、田中日華。

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この掛軸は、“描き表具”と言う筆法によるもので、表具と言われる絵のまわりの部分も、すべて日華の筆によって描かれたものです。

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まるで絵の外側の自然界から雪が深々と降ってくるような、粋で情緒満点の作品です。



脇床には、京焼の人形「紫の上」。


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20年以上前に、京都五条坂を焼物を探して散策している時、“これは盆栽や水石の添景に使える?“と思って、
工房を訪ねて、“あの作品の彩色をやめて髪色と紅だけにして作って下さい“と、
今思えば、陶芸家の方になんて無礼な注文をしたものかと、頭をかいています(笑)。

音も無く、しんしんと降る淡雪の中に浮かぶ月
冷気厳しい中でも、春の訪れを伝える梅“月影“の気品ある花姿、
月に雪に花に、何かに想いを寄せる紫の上の姿

やはり、私はこんな風趣を楽しむ世界が大好きです!
(中々、これだけでは食べられませんが、笑)