造営が進んでいる「大徳寺盆栽庭園」。
大門の右方の延段脇を飾る枯山水庭園、盆栽の景石「揖斐川龍眼石・伊予石」を使っての作庭を考えました。
歴史ある名刹を預かる庭師の親方達、庭園の本体部分は私などが口を挟むものなどないくらいのレベル!
入口の左右の仕様を預かった私が考えたのは「盆栽師ならではの枯山水」。

先日諸用で名園「蔓青園」さんに伺った際、現当主(五代目!)の崇寿さんに、大徳寺の計画を伝えて、
所蔵されている三代目三郎先生の遺品である景石郡の割愛をお願いしたところ、
“売り物ではない、と普段言っていますが、歴史ある名刹に私利を捨てて盆栽庭園を作られる森前さんに協力します”
と、亡き日本盆栽界の恩人、加藤三郎先生の集められた石群を、しかも、仮組みをして使いたいものだけを分けて頂く事になったのです。

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冷雨降る日、庭の各所に散る遺愛石を出しては並べ、また戻し、半日ほどかけて十数点の古石を有り難く割愛頂きました。
果たして、後日この石達が、現場でどのような「貌」を見せてくれるか?まだ、私も半信半疑です。

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でも、蔓青園さんにかけて頂いた心、天国にいる三郎先生への想い、色々なものを込めて込めて「盆栽師の景石枯山水」に挑んでみようと思います。

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雨の中、びしょ濡れになって、何度も何度も組み直しをする私に嫌な顔ひとつ見せずに手伝ってくれた若衆の皆さん、ありがとうございました。