八月、暦の上では立秋ですが、それは名ばかり!
ここから暑さも本番です。
今年は長梅雨で、地面の温度が昨年ほどにまだ上がっていません。
30〜33度、日本の中でも最高気温の高い羽生では、猛暑となれば、35~38度!
盆栽も夏バテしないように、各所に寒冷紗や日除けの設備を施して備えています。

床の間の飾りも、何処かに暑気を払い、涼を呼ぶものを心がける今です。

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揖斐川石の深山渓谷の一部を切り取ったかのような石が入ったので、飛沫をあげる滝下の景を現す水盤飾りを準備して、それに合わせた掛け物を設えました。

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「滝に鶺鴒」武部白鳳の作。
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峻烈な滝を横切る一羽の鶺鴒。
まるで眼下の揖斐川の岩溜りそばの渓流に棲む獲物を狙うようです。
大型の水盤石、掛け物をやや控えめの大きさにすることで、席全体の間調子を保つようにしました。
脇には五葉松の文人調。

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主石と喧嘩しないように、こちらも弱めの取り合せ。
景趣に合わせて、半懸崖の険しさのある盆栽でも良かったのですが、水石と力がぶつからない事を大切にしてこの樹にしました。
“場に合わせて飾る”・飾りの基本ですが、何度設えても、100点など程遠く、いつも反省を覚える為に繰り返しているようです(笑)

コロナで動きづらい日々。
せめて席飾りの中で、自然の素晴らしさを満喫して頂ければと願っています。
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