まだ4月の半ばだと言うのに、羽生の庭の藤の盆栽は花房が開いて降り始めました。
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藤は蔓性で、持込みの古い単幹のものが少なく、この樹のように枝先まで切返しの無いものは貴重です。
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年に一回の花物盆栽の咲き誇る時、一度はちゃんと床飾りをしてあげたいですね。
今回は、藤の花に合わせて「雲雀・ひばり」の細身の掛軸を使いました。
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通称「揚げ雲雀」と言われるこの図柄は、本当は4月末から5月中旬に使うものです。
田畑に早苗や若葉が茂る頃、天高くに囀る(さえずる)鳥です。
まるでヘリコプターのホバリングのように、1か所に留まって鳴いています。
陽春の代名詞の雲雀と、花房を降す藤。
これだけでも、充分な見応えのある飾りですが、
脇に添景、まさに名の通り、景色を添える様々なものを取り合わせることで、
更に盆栽を中心にした世界観・季節感・そして風趣が描き出されます。
今回は、木彫の農屋を象った置物にしました。
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金工として名高い本間琢斎の作品です。
藤などの花物盆栽に合わせる添景は、そこに現出する景趣は勿論大切ですが、できれば花に金属のものは避けたいものです。
添景の“格”や強さは、金工物・陶製・木彫・の順になります。
どれが良いと言うのではなく、主飾りになるものによって、脇飾りの質(マテリアル)は違ってきます。
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花咲き、ふり降りる藤、仰げば天高くに雲雀の囀り。
穏やかな陽春の日和の中にひっそりと長閑に庵ひと棟。
飾りとは、ありのままの自然の風景を、心の中のファインダーを通して、余計なものを消し去ってしつらえるものです。
是非、皆さんも、ご自分の盆栽や水石で楽しんで下さい。
一点の観賞から、設えの組み合わせで、日本人ならではの総合的な美が毎日楽しめます!