福島県へ手入れに出向いた時、昨年の同じ頃初めて出会った「種からの栽培」を今も大切に続けている『野尻種苗』さん。
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何も無い所から新しい命を産み出し、そこから将来の盆栽が誕生する・・
私達盆栽家が忘れかけている原点の姿がここにあります。
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名木や名器を扱う日常、そんな日常がコロナウィルス災禍で崩れている今、15歳の冬、修行に入った46年前のあの時、
毎日ハウスの中で“元接ぎ”技法で八房五葉の苗木を各種作っていた頃を思い出しました。
先日も栃木県の交換会で、あの頃作った瑞祥が立派な盆栽になって登場したことは、この福島の実生苗作りに通じる感慨がありました。
人々の生活すら煩わすコロナウィルス。
こんな時盆栽業としてすべきことは、次の時代に残す命をたくさん作ること、
そう思ってスタッフに相談したら、みんな“やりましょう!”と言ってくれました。
事情を話して野尻さんの常務が
「本当は契約栽培が殆どですが、森前さんのおっしゃる気持ちに応えたいので、特別にお分けします」!
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五葉松3年生1000本・黒松2年生500本。
私達はこの命を守り育てる責任があります。
仕事もしづらい毎日、こんな時新しい命にふれることは、とても嬉しく、何か忘れていた感覚が蘇ります。
一年後、この子達がどんな姿になっているか、ぜひご覧にいらして下さい。
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