今回充実の内容!!

前期展に続いて、国風展の後期展も無事に終わりました。
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今回の展覧は、近年の中でもでも充実したレベルだったと思います。
さすがに50数点の秀作が、残念ながら落選して出品できなかっただけのものでした。
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ただ私の個人的な感慨ですが、還暦を過ぎて日本盆栽界の頂点にある国風盆栽展を振り返って思うことがいくつかありました。
ひとつが 羽生の庭にも時々いらっしゃる八十路を目前の老愛好家が、今年国風展に残念ながら落選された事です。
勿論 審査の方々の 席数による当落はやむを得ない事だと思います。
ただ、この方も私のお客様と言うわけではないのですが、昨年まで9回連続で入選され、今年出展されれば10回連続による協会表彰を迎える方でした。
「え!彼の方が落選したの?」と耳を疑いましたが、
樹の内容の如何は別にして、愛好家として温厚で心優しい方の残念な結果には、心が痛みました。
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不肖 私も盆栽協会の代議員のひとりとして、以前の総会でも
「長年 盆栽界に尽くされた人品素晴らしい愛好家の方々には、当落という制度とは別に、枠を設けて 扱い業者を含めての“事前審査”みたいな形で、長年の功労を含めた席を限定して用意出来ないか」
と問うた事があります。
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私は盆栽というものは、本来 人が良い悪いというものを審査して判断するものではなく、愛好家としての品格、
出入り方のその方への名誉や審美をお手伝いする責任を何よりも大切にすべきと思っております。
盆栽協会の筆頭として、理事長職を奉職される青蔭先生などは、愛好家としても、
古刹を預かる僧籍に身を置かれる方としても、奢らぬ心優しい品格あるその姿を尊敬するばかりです。役員の方々のご苦労も、代議員になり本当に良くわかります。
私はどちらかといえば、人情に弱い方なので、公的な場における判断の難しさには向かないと思います。
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展示されているすべての盆栽は、どれも立派で ここの選に漏れた作品も おそらく僅かな点差だったのでしょう。
何か愛好家の皆さんが、みんな喜んでくれる形があればいいものですね!

いつも思います。私達 プロは、日本盆栽界の専業者としての「あるべき姿勢」をいつも自分の中で糺していないといけないと。