【蝉時雨の向こうに見える荘厳な瀑布   山越え深く自然林】

朝夕の水打ちに人も盆栽も生気を取り戻す頃、盆栽の床飾も盛夏の作法。

雲湧く山々を越えて遠くに聴こえた滝音は、眼前に水飛沫の清冽な姿を見せる大瀑布へと。
その水は岩清水となって"水守り"と例えられるブナの原生林を育んでいます。

根元の寄植え部分が白く絡み合うブナならではの美しさが長年の"鉢持ち込み"によって
まるでその林間へ誘われるかのように感じられます。

人界では得られない大自然の興趣を席中に創出しようと努めた席飾りです。
昭和前期に描かれた楳崎珠雀の「瀑布図」水墨の作品によってブナの緑陰の美しさが際立っています。
また、脇の水石を水盤使いではなく、台座としたことで滝の清冽さ、
"分けいっても分けいっても続く神韻響くブナの原生林に"瑞々しさ"に
"水"を感じることへの強調ができたと思います。
夏雲の向こうに変わらぬ自然の営みが見える盛夏の一席です。