雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴43年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”


【雑木盆栽の名匠・四季を奏でる自然美の結晶達】

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先日、久し振りに大宮盆栽美術館へ伺い、大先輩 芙蓉園主 竹山浩先生の個展を拝見しました。
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ひとことで、その端正な作風に感動しました。
松柏盆栽が中国などの流通影響で、もてはやされる中、
日本盆栽界が「刻」と言う何ものにも代え難い宝物によって創り上げた美の世界が散りばめられていました。
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若き頃、先代芙蓉園の房造先生の寄植え作品に感動した思い出が、二代現ご当主にも正統に受け継がれていることに、
盆栽とは伝承する文化である事を、あらためて認識させられました。
私のような腕ではこんな見事な作品は創出出来ませんが、
同じ盆栽人として、せめてその姿勢を見習いたいと思いました。
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【半世紀続く 水石展『炉端会』見学と共に】

先日、四国高松へ出向く道すがら、ご案内を頂いていた 水石展『炉端会』を見学させて頂きました。
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関西水石界の恩人として、私の“西の父”として生涯見守り続けて下さった、
故横山雨洛先生の畏友、大阪の本山幸男先生のお誘いでした。
吹田市が保存されている「浜屋敷」は、豪商の名残を見せる見事な建築。
飾られた10席は、熟練の水石家の味わいのあるものでした。
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久し振りの関西水石展見学でしたが、中で出迎えて下さった皆さんは、
横山先生が主宰されていた“伝説の水石会”『聴石会』の元会員の方々がほとんど!
皆さん私が二十代の頃よりご縁を頂く古老達でした!

翌日、2年ぶりに本山先生の居宅(殆ど“石屋敷”!)にお伺いして歓談のひととき。
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夥しいご蔵石と、隣家を買い取って、自蔵石の展覧を毎日楽しまれていられるとの事!
一見して、水石1500~2000点、水盤・卓などの飾り道具に掛け軸類、八十路を迎えられる中、益々の趣味三昧の境地には頭が下がりました。
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25歳で新婚旅行に出かけた先で、初めて石を求められたこと、
丹波紫雲石に惚れ込み、産地の山をそっくり贖われたこと、さすが横山先生の盟友だなぁと思いました!
お元気に水石趣味を楽しまれる本山先生のこの大コレクションが、次代に正統に受け継がれることを願って退出しました。


【初めての整姿作品を初めての植え替え!】

西安雨竹亭で楊凌の盆栽パビリオンを2年間守って来てくれた、郝君と趙君。
昨春3ヶ月の研修を日本で過ごし、12月より3年間(当初は1年のビザ・延長願いを出して更に2年)
故郷に帰ることも出来ないのを承知で、私の庭「羽生雨竹亭」に住込みで勉強しています。
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43年前、貧乏で布団も用意出来ずに、バッグひとつで小僧に入ったあの頃の自分を思い出します。
日々、8時前からの庭内の掃除、あとは19時〜20時位まで、雨竹亭の慌しい毎日を、言葉の壁を越えて必死に頑張っています。
「ハオ!ツァオ!」と呼べば「ハイ!」と駆けてくる姿は、私たちの世代の修行時代を彷彿とさせてくれます。
冬の間しか松の針金掛けは勉強できないよ!と、12月に与えた五葉松も
2人して眠い目を擦りながら、時には仕事の終わった深夜に励んでいました。
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国風展の忙しさの終わった中、2人の仕上げた五葉松の植替えを指導しました。
教えることに専念して、なるべく自分の手でやらせてみました。
“針金がキツかったり、いじりすぎたりで、いくつか枝が痛むかも”と予想していますが、
その姿をこの庭で見ながら経験を重ねる事も大切なことです。
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2年後の作風展に若手部門でこの樹を挑戦させてあげたい!
そんな事を思いながら、終わってみたら、深夜12時でした!


【創作意欲は国風展終わっても変わらず!】

国風展も無事に終わり、合同チームで展示した作品の引き取りと、お礼に木村先生のお宅へ訪れました。
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海外からの来訪者で賑わった国風展中ですが、一般の方々がご覧になれる庭の棚以外に奥に
非公開の先生の創作中の多くの作品がある棚場があります。
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国風展出品の作品を“ヒートダウン”させている温室には、将来の名木達が並んでいます。
76歳の今も毎日 作品作りに情熱を注ぐ先生の精神には、頭が下がります。
足元の棚には、見事な舎利幹に僅かな枝を伸ばす真柏がありました。
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「この樹も 2~3年経てば、立派な盆栽になるよ」と、先生は いつも“明日”の盆栽を見つめています。
羽生に2000点の盆栽達と暮らす私も、もう一度先生の姿勢を見習って、
ひとつひとつの盆栽を見つめ直そうと思いました。


【国風展 売店 3回入替! 売上レコード更新!】

久し振りに 陣頭指揮で挑んだ国風展売店「立春盆栽大市」。
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昨年より展示ブースを広げて、他店の “売れない中でブースを広げるなんて”との 陰口など気にせず、
全力で展開企画から練りこんで、前日のバイヤー取引日・初日~2日間、中間期間展示、
そして未公開の「上杉謙信公伝承の盆栽」を中心とした最終展示。 
海外からの『黒船』と呼ばれる買付け! 国内愛好家の皆さんから見れば、複雑な思いがある事も当然ですが、
現状の盆栽市場は この海外勢の購買によって相場が確立されている事も事実です。
はじめの3日間はこのバイヤー中心の市場買いで仕入れが出来る盆栽を“これでもか”と言うくらい並べて対応しました。
初日からは展覧にいらっしゃる本来の愛好家の方々の為の“本物”と“味の良い樹”そして雅味ある水石・古鉢、
来場される旧知のお客様達、歓談しながらの“品定め”は、国風展売店の昔ながらの姿です。
『日本の水石展』が開幕された国風展後期展は、盆栽の歴史的名樹の通説を覆す500年の伝承を持つ
 “伝説の盆栽” 上杉謙信公の「一位」を中心とする 日本名木群の一堂展示。
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3回の夜間特別入替をご理解頂き、許可下さった組合方にも感謝しています。
おかげさまで、私が手掛けた過去の国風展売店の売上レコードを更新することが出来ました。ありがとうございます。
海外との対応・交渉、日本愛好家の方々への私共がしなければならない業者としての役割と責任。
この2つの目的を無事に遂行できたと思います。
でも、「奢るもの、久しからず」の 言葉を胸に、ささやかな愛らしい盆栽をじっとご覧になっている初心者の方を、
寄り添う気持ちで少しずつでもその楽しみをお手伝いすることが、何よりも大切だと言う事を、スタッフに伝えてゆきたいと思っております。
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