雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴42年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”


【鬼無・国分寺  日本最大の生産地】

2年ぶりに 四国高松・鬼無地方へ、松柏盆栽仕入に出かけました。
15年前、銀座の店を切り盛りしている頃、初めて訪れたこの"
松のふるさと"は、
変わらず生産の方々が、樹々と共に生き暮らしていました。
神高さん・平松さん・中西さん・北谷さん・松田さん・・。
みなさん代々受け継がれた作品や、次代に夢を繋ぐ素材など  "樹と共に生きて"頑張っておられました。

私達、中央盆栽界で正業に励む者は、生産地の方々ともっと語らい、
これからの盆栽市場をどうすべきかを、真剣に取り組まないといけないと思いました。
北谷さんの培養地では、60年かけて作られた錦松を一年かけて鉢上げしてもらうことで、100本を 契約し、
各所から他に約200点の盆栽を譲ってもらいました。
今月中には羽生に輸送してもらい、9月には 簡単な手入れを施して、
羽生本店・銀座店・ウェブサイトで、ご紹介させて頂きます。
山青く水清い 松のふるさと、やっぱり日本の原風景はいいですね!


【7年目、お客様は良品を理解!】

人手不足で開店も危ぶまれた軽井沢店の夏季営業。

執筆関係も多く妻と2人で僅かな日数でも店を開けようと、
エスキューブ全体の夏期休業日を使って久しぶりの"現場担当"の日々です。
店にいてとても強く感じるのは、多くの人たちが
「あ!盆栽だ!」
と足を留めて下さる事です。
やはり、世界大会の社会への周知と影響は計り知れないものがあったんだなあ  と思います。
商売の方も、1000~3000円が例年の売り物でしたが、
店構えのために羽生から持ってきた10~30万円の盆栽・古鉢が、4日間の間に200万円売れました。
お客様達は、"持ちやすい良いもの"を手頃な値段で欲していらっしゃる事が、ヒシヒシと感じられます。
"いらっしゃい、こんにちわ"・・
ここから始まる人と人との出会いこそが、この仕事の一番大切な事だと、痛感する"避暑地の店"です。
お越し頂いて、ありがとうございます。


【8月27日上野グリーンクラブ「水石協会 夏季大オークション」に木村先生 作品を協力出品!】

まもなく喜寿を迎える"名匠"木村正彦先生は、
今も毎日 新たな創作作品の制作に邁進されています。
小僧時代から40年のお付き合いを頂いている私ですが、
15での修行、11年間の住込み生活など、"森前君は僕に似ている"と 
天と地ほども違う私にとても親しくして下さいます。
先日 お伺いした時もご無理をお願いして、
今月の27日に上野グリーンクラブで開催される
水石協会主催の資金捻出を目的とする「夏季大オークション」に、先生の大切な作品を数点出品して頂くことになりました。
「木村正彦の作品」となれば今は海外を中心に、創作石付き盆栽などは、
予約状態(私も2年位 待っています!!)で、
オークションへの出品は、先生のご好意に他なりません。
登録をすれば愛好家の方々もどなたでもご参加出来るオークションです。
前日の午後は下見も出来ます。
是非 お楽しみ下さい。


【季節の狭間の静かな床の間飾り】

8月になると秋風を朝晩に感じるとした古人の心は、温暖化の現代には実感もないですね。
"立秋来たれど、酷暑の日々"、何処かに昏れなずむ刻の風景を捉えて、
暑さの中にもやがて訪れる秋趣を感じる席を創りたいものです。

先日、葉性の細やかなコナラの古樹を手に入れました。
この季節は本格的な格調美を見せる松柏盆栽より、
季節の風趣を席中に漂わせる樹種を飾ってみたくなります。
揺れ立つ古幹に鬱蒼と茂る葉陰、どこかその葉にも厳しい夏を過ごした"色"が欲しいものです。

取り合わせの掛物も、"晩夏"の黄昏を取り入れて、
夕暮れの山里に飛び交う蝙蝠、そしてやがて澄んだ名月となる
いまだ純湿さを見せる月。
脇床には景色の連携の中に見える農屋。
旧盆も過ぎれば、初秋の風を感じる席がよく似合う頃になります。
その狭間にこんな「一瞬の刻の切り取り」をした席を創出するのも楽しいものです。


【原稿執筆を兼ねて在店】

旧軽銀座へ真っ直ぐ駅から向かう軽井沢通りに面する「三笠ハウス」一階に
夏季限定 雨竹庵」をオープンしてもう7年目になります。

羽生本店銀座店上野池之端店 など、正業もお陰様で忙しく、
この軽井沢店も人手が足りず、"今年の夏はオープン無理?"のスタッフの声もありました。
私にとっての軽井沢は、今の人達が楽しまれる「アウトレット」的感覚ではなく、
日本最古の避暑地の別荘地として、政財界・文化人が束の間の夏を過ごす"軽井沢"なのです。
独立して間もない38の時、銀座に店を出した20年前、
「いろんな世界の人達に会ってみたい、盆栽水石を多くの人達に見てほしい」と言う想いで創りました。
私にとっての軽井沢は同じなんです。
今回は4月に行われた「世界盆栽大会」の水石展図録解説を
ここで集中的に執筆しようと決めて9日間のみの"店開き"としました。
店の飾り付けをして、正札をつけて、いらっしゃる"盆栽は初めて"と言うお客様とお話をして・・・。
私の仕事の原点を身体で感じる心地良い初日でした。
「いらっしゃい、どうぞお好きに見て下さい!」
忘れかけていた"大切な時間"が蘇ります。
どうぞ「9日間の軽井沢店」にいらして下さい!

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