雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴43年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”


菖蒲咲く明治の杜、日本各地より精選された名石が、一堂に集う「日本水石名品展」も、
58回の展覧となりました。

IMG_6028

IMG_6027

特別出品の『豊公由来唐石』『甲斐武田家由来盆石』などを筆頭に、

精神性深い雅石・涼を呼ぶ水盤石など、神宮社務所講堂と本殿東廻廊に六十余石の圧巻の展覧です。

IMG_6018

IMG_6022
IMG_6020

先週の「奉納盆栽展」に引き続きのこの催事は、訪れる海外からの大勢の方々を魅了しています。

(明治神宮は都内屈指の観光地としてNO1の名所です)
盆栽作家として、海外にも知られる 春花園 小林國雄 理事長をはじめ、

鈴木伸二氏、蔓青園 加藤崇寿氏、そして国風賞受賞愛好家の方々も、水石家として 名を連ねています。

IMG_6026

IMG_6023
IMG_6021
IMG_6019
IMG_6024
IMG_6025

10日までの大展覧、名品を無料で観賞できる絶好の機会です!

ご覧下さい!


【“山懐の隠れ家”で 開催された 盆栽水石飾りの深奥!】

春、または秋に 京都 禅林「大徳寺・芳春院」で開催されてきた、数寄ごころ豊かな盆栽水石愛好家の集い「玄虹会」。
IMG_5940
今回は所を替えて、同じ京都でも 山科の山々に囲まれた“隠れ里”の風を色濃く残す地に、
戦前より保存管理されている名亭『わらびの里・霞中庵』を舞台に、名刹での設えとは またひと味違う 部屋飾りを試みました。
IMG_5941
IMG_5942
IMG_5945
IMG_5947
初夏の風薫る季節、打ち水のされた名庭と、各室で現出された詩情溢れる静謐幽玄の世界。
IMG_5943
IMG_5948
圧倒的な名木だけが、求められるのではなく、一木一草に 潤湿な“緑陰”の感受を楽しむ季節を、
どの様に 設えるかを研修する目的もあっての展覧でした。
何回かに分けて、心に残る席飾りをご紹介させて頂きます。
IMG_5944
IMG_5946
IMG_5949


帝都の杜、明治神宮の楼内東廻廊で、毎年恒例の「奉納盆栽展」が、1日より始まりました!
IMG_5935
IMG_5936
一の鳥居・二の鳥居・楼前鳥居 を更に本殿に進んだ 内陣と言える 場所に盆栽を奉納陳列して18年目の展覧です。
四十代前半、この展覧を企画開催した理事時代のあの頃が懐かしく思い出されます。
今回も 神宮の盆栽「五葉松」を中心に水石協会が選出した全国からの18点の名樹達が、参詣に訪れた多くの方々を迎えています。
IMG_5933
IMG_5938
IMG_5937
近年は、東京NO.1の観光スポットとなったこの明治神宮。
朝から海外からの圧倒的な観光客の皆さんが、展示された盆栽に感嘆の声をあげて、カメラを皆々掲げていました。
IMG_5939
IMG_5934
この奉納盆栽展は、5日まで開催され、引き続き『第58回 日本水石名品展』が行われます。
その際、盆栽の若干数が延長展示されます。
まもなく創建100年を迎える明治神宮。100年前、全国からの“献木”でこの杜が創られたことを、どれだけの方が知っているでしょうか?
ある意味では、この杜を築いた人達の自然に対する畏敬の念が、日本人の心底にある盆栽に対する精神とも言えます。
そんな気持ちを持って展覧を楽しんでください。

【上野公園で開幕!】

サツキ展として 一番古く権威ある展覧が、上野公園噴水広場で開催されました。
IMG_5910
若き頃、サツキ界の頂上を駆け回っていた頃以来、本当に久方振りに上野の会場へ伺いました。
当時は公園の下にある不忍池畔で行われていましたが、今は社団法人となったサツキ協会は、様々な難関をクリアーして、
上野公園の誰も使用の許可が取れない噴水広場で見事な作品を披露しています。
IMG_5912
銘木の部・名花の部・共に 絢爛な花姿は息を飲む程でしたが、
それ以上に美しい花々を咲き誇させる培養の素晴らしさには頭が下がります。
IMG_5911
IMG_5914
盆栽とサツキは別々の世界と捉われがちですが、多くの盆栽家・水石家が、
サツキを趣味とした所から 始めたと言います。サツキは私達の趣味の登竜門なのです。
初めて見る新花の美しさは60歳を間近にした今、「またサツキをやってみようか?」と心動かされる想いを持ちました。
素直に「綺麗だなあ」と思う自分がそこに居ました!

IMG_5913

本格座敷飾りの準備『玄虹会』

サツキの花咲く今ですが、すぐ足元に「初夏」の兆しが感じられます。
庭の「岩がらみ」の盆栽が見どころとなったので、床飾りをしてみました。
IMG_5888
IMG_5889
清冽な瀑布を僅かな筆さばきで描いたのは、大家 菊池契月。
瀧を描くのではなく、それ以外の部分を描くことで、瀧を表現する腕は、流石に名筆!
IMG_5890
飛沫をあげる深山の崖には、蝶が飛び交うような花姿(正確には花ではありませんが)をみせる岩がらみ。
瀧を水墨で合わせる事で、岩がらみの葉の美しさが際立ちます。

もうひとつ、まもなく京都山科の里深くに構える数奇屋名亭・わらびの里『霞中庵』で開催される
「第10回 玄虹会展」の 出陳席の席割りと飾り構成に 知恵熱を出している中で、
本格文人盆栽飾りの “古武士的”な 席が出来たので、ご紹介します。
IMG_5891
赤松名樹「観月」。
 大宮盆栽美術館蔵の「帰去来」と共に、盆栽界に現存する赤松文人樹の雄として名高いものです。
大家小泉薫先生の旧蔵でしたが、
縁あって数年前に西宮に住する現蔵者の愛樹となりました。
取合せた掛物は、文人趣味的古画を愛する蔵者の大切なコレクション・池 大雅 の名筆。
「水流心不競 雲在意俱遅」その意は、
“ 川の水の流れのままに 心をまかせ 雲と同じに
気持ちをのんびりとさせる"
中国唐代の詩人 杜甫が遺した『江亭』の一文です。
脇飾りは、天龍川の古石「南山」まさに南画の中から出て来たような姿のこの石は、
煎茶の本山と言える黄檗山萬福寺の由来を秘めた 本邦初公開の賓石です。
文人盆栽と言えば、細身で飄々としたイメージですが、真の文人盆栽とは 
“ 静けさの中に心で捉える凛とした厳しさと古厳と言うべき 老感を持った格調高き盆栽 ”です。
力強い大型名木の数々を有した 小泉薫先生 唯一の文人盆栽だったと言えます。
今回の「玄虹会展」は、季節を考慮した このような “目利き唸る席 ”が数多く出陳されます。
僅か二日間の展覧ですが、日本盆栽界の未来の姿は、こんな樹達と展示会に あると思います

↑このページのトップヘ