雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴42年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”


【76才にして"前を向いて創作する"情熱!】

日常より(毎月2~3回)おつき合いの深い 名人木村正彦先生、
世界大会ではメインのデモンストレーション(盆栽改作創作実演)を8名の作家に先立って開会式に秋篠宮様ご夫妻の前で実演されました。
この後も各実演者への責任担当として誠心誠意各国の来訪者の為に務められました。
今回の実演でも得意とする石付き盆栽を創作されましたが、
若き頃、故岩崎大藏先生に連れられて訪れた中国「武陵源」で見た
"屹立する天界の風景"を心の記憶として、石中に表現されたそうです。
先生のアシスタントとして実演創作に携わった森山義彦氏は、九州太宰府出身、木村門下の超エリート!
今年 羽生から10~15分の隣町に開園する若き盆栽作家です。
エスキューブも、私と木村先生のお付き合いで"正統の職人になれるように"
と言う木村先生の依頼を受けて、森山氏には、日常的に手入れ依頼をしています。

老練の立場でありながら、今も新たな視点で盆栽に取り組む木村正彦先生・海外への実技講演も含めて、
無我夢中で日々を過ごすその弟子。
いつもそばでお付き合いをする私にとっても"私も私なりに頑張ろう!"と心に思う二人です。


45,000人!の記録的な展覧!

4月27日~30日に開催された「第8回世界盆栽大会」は
予想をはるかに上回る45,000人の入場者数を記録して無事に終わりました。
私は「京都国際文化振興財団・慶雲庵」「舩山コレクション」「日本の水石100選展」の特別ブース三か所の設計デザイン、
展示構成など、半年間に及ぶ準備の末の "能力限界"の仕事に取り組みました。
43年の盆栽水石に関わる刻の中で、これ程の人と規模のイベントに参加出来たことに、感慨深いものを覚えました。
開場前は1~2時間待ちの方もいらしたとか、ありがたいことです。
とにかく人人人!
人の波の中での展覧、盆栽や水石達も驚いたことでしょう。
数回に分けてこの展覧のご報告をさせて頂きます。


【中国 宜興  里帰りした古渡盆器の名品展】

先日、今年の盆栽中国輸送の際に、宜興市博物館で開催中の名盆器展を見学する機会を得ました。
10年位前まで日本盆栽家達が100年の歳月を守り続けた名器群が "里帰り "の形で、生まれ故郷のこの宜興の地に戻りました。
拝見して感慨深かったのが、居並ぶ名品盆器の半数以上が、私の旧蔵品で、若き頃より名盆器を扱い、
一時は故片山先生の跡を請けて美術倶楽部の鑑定家になる人生の思い出深い品々ばかりだった事です。
古渡最高峰と謳われた"李鴻章の烏泥"は、別格で飾られていましたが、
当時中国を代表する蒐集家 楊貴生先生に請われて手放したことが、昨日のように思い出されます。
楊 季初 の 絵白泥・川石山人の紅泥・為善最楽の梨皮紅泥
数えればキリがない数々の"思い出の名品"が、ここに集まっていました。

日本から海を渡らせることに忸怩たる思いを持ちながら当時を過ごしていた私ですが、
こうして大切に"博物館"の展示品として扱われている姿を見ると「これで良かったのかな」と思います。
私は今、この宜興に僅かに残された"古渡の技術"を踏襲する窯場と未来の実用盆器の研究製作に取り組んでいます。
試験的に完成した作品は、日本到着と同時に蔓青園氏を筆頭に著名盆栽家達の目に留まり、
自分で使いたいものまで含めて、あっという間に無くなってしまいました。
10代で恩師須藤進が運んだ「新々渡鉢」銀座三越時代に遮二無二扱った盆器達、
そして自ら中国との交流をする中で、手探りで始めた「名器の再現」。
秋には未来の国風展用の"廉価な名器"を多くの愛好家にご紹介したいと思います。



【春うらら!爛漫の春姿の庭・盆栽!】

いよいよ日本での28年ぶりの「世界盆栽大会」がさいたま市で始まります。
エスキューブ雨竹亭も記念開催の「日本の盆栽水石至宝展」(28~30日・さいたまアリーナ)で、
20mに及ぶ特別企画ブース(4席の内、3席担当!)や 
お得意様の盆栽水石床の間飾り(A席×19席!)など、昼夜を問わずの大準備で臨んでいます!
海外からの羽生雨竹亭本店への来訪見学も多く、
アメリカ・イタリア・ドイツ・韓国・台湾・中国など、連日その応対が大変です。

新緑の雑木盆栽・藤の美しさが際立つ花物盆栽・そして変わらぬ緑を湛える松や真柏の松柏盆栽。
庭も席飾りも "ようこそ!日本の盆栽へ!"です。

世界、特にアジアがキナ臭いニュースばかりのこの頃、
日本人がどんなに自然を愛して日々たゆまぬ愛情を注いで生きているかを是非見て頂ければと願っています。


「陽春」と言う言葉が、庭の盆栽を見ているだけで感じる季節になりました。

遅霜を心配して室込みしてあった樹々達も、いっぱいの陽射しの下で美しい葉や花を楽しませてくれています。
山桜の静かな花と新緑・淡い紫色の藤桜・
軍配の房の様な花姿を名にした采振り木・深い緑の中にも春の新芽を吹く蝦夷松・・。
棚々に広がる千点を超える盆栽達を見ていると、世界大会の準備や、中国輸送の疲れも何処かにいってしまいます。

やっぱり、盆栽といっしょに過ごす穏やかな日々はいいもんですね!

↑このページのトップヘ