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盆栽歴43年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”



今回の木村先生を中心とする中国実演公演の旅の最後に、私も含めて同行の藤川さん森山君と共に、
安徽省まで5時間の高速道で、「神仙棲む絶景」と謳われる『黄山』へ行き、
木村先生のキツイ登坂を心配しながら“黄山松”の原生地へ辿り着きました。
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私も初めての黄山でしたが、ロープーウエイの上に広がる天空の山水世界に息を飲みました!
そして この日に78歳の誕生日を迎えた木村先生の体力と目の前に広がる絶景、
そこに生きる黄山松を見る少年のような眼差しに、“ああ、この人は本当に樹を愛して行きて来たんだ”と尊敬にも似た感動を覚えました。
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「藤川君、森山君、あそこの樹をよく見てごらん!どうやってあんな場所で何百年も行きているんだろう?
枝の“仕上がり”を見てごらん、下枝の処理などいらないほど、無駄な枝姿が無いよ!
ああいう樹を作らなきゃダメだよ。よーく見ておくんだよ」
愛弟子達にかける言葉のすべては、次の日本の盆栽界を託す子達へのメッセージにも似たものでした。
江蘇省盆景大会・実演公演・張主席邸・楊貴生大コレクション・昆山 孫邸・王永康邸・そしてこの黄山。
一週間に渡る旅で得たものは、それぞれに違うでしょうが、盆栽界に生きる者として、記憶に残る者となりました。
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【若き中国盆栽家が夢を掴む旅路を訪ねる】

3月26日から始まった木村先生との、中国盆栽公演旅行も、公式行事のすべてを終えて、
楊 貴生邸から『日本盆栽界との懸け橋』と言われる恩人、常州の王永康邸に向かう途中、
若干36歳の若さで、4万坪の一大盆栽パーク実現へと、着実にその階段を昇り続ける 昆山付近の孫邸を訪れました。
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“若い盆栽家で、将来とても有望な人物がいる”と、周りから言われてやっと辿り着いた孫邸。
予想に反しての夥しい数の盆栽達。
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中には国風賞を受賞した真柏名樹などもありました。
「4万坪・政府援助 約100万元・一期工事は夏までに盆栽園・そのあと喫茶店・ホテル・盆栽公園と整備は進みます」
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木村先生の訪問を緊張しながらも大歓迎してくれた孫氏は、ゼロからのスタートでここまで来た道のりを私達に語ってくれました。
同行した藤川・森山両氏も 只々感嘆するばかり。
発展する中国盆栽界を現実に見ると、「私達は何をしているのだろう?」と、
日本盆栽界の現状に多少の憂いを覚えるのは私だけでしょうか?
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【時価30億円! 世界最高の盆器コレクション 蘇州 楊 貴生 邸】

蘇州での実演日程を終えて、木村先生と私たち一行は、
古渡盆器の至高 最大のコレクション
「楊 貴生 盆栽 盆器 コレクション」を 拝見に訪問しました。
存在感ある楊先生は、温厚で心優しい 盆栽と盆器を愛する 中国盆栽界で尊敬の的の人物です。
「古渡盆器の至宝」と謳われる 李鴻章旧蔵の烏泥を中心に、
息を呑む名品が数百点の単位で収蔵されている特別室は、木村先生・藤川君・森山君 皆が言葉を失う程でした。
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庭園の盆栽も同じく、数百点の真柏と黒松を中心とした 名品達、
そして何よりも木村先生が感嘆したのは、“10年後を見据えた段階的な樹作り”です。
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無駄枝を敢えて伸ばし、ふところの大切な枝を細やかに作ってゆく。
明日を完成にするのではなく、その樹が本当に持つ 力量に見合った時間をかけた培養計画。
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特に 中国奥地から山採りで採取された圧倒的な年輪と太さを持つ真柏の原木群は、
木村先生をして
「森前君、私はこんな素材を思い切り残された人生で作ってみたい!何とか日本に運んでほしい」
と言わしめる 日本国内では既に手に入れることは不可能と言える内容の逸材達です。
“先生の為にも、必ず この未来の名品達を日本に運んでみせる”
 子供のような眼差しでその素材を見つめる先生を見て、胸に誓う訪問でした。
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【中国 実演公演と盆栽漫遊の旅 Part 1】

3月26日、名匠 木村正彦先生と直弟子 藤川政幸氏・森山義彦氏と共に、
中国江蘇省 蘇州へ「第1回江蘇盆景協会連盟 逸品盆栽展」の式典と実演公演の為に日本を出発しました。
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同連盟の主席である、中国を代表する愛好家、張小寳先生の依頼によるものです。
700万都市である蘇州の「蘇州美術館」を使っての式典展覧に驚かされました!
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式典式辞の後、木村先生の特別実技公演が企画され、会場は多くの雑誌社・新聞社は勿論のこと、テレビ局の取材も入りました。
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当初は先生ひとりでの独演が予定されていましたが、準備された真柏が大きく、先生の指示で私を含めた4名全員での施術となりました。
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44年目の盆栽人生で、親交深い木村先生ではあっても、一門以外の私も含めての実演は、初めてです。
私自身も意外な経験となりました。
提供された真柏を見て、こんな素材が何百本でも手に入ると聞いて、
なんとか日本の盆栽界の将来のために、運べないものか、本気で考えようと思いました。
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【 一位原木の施術スタート!】

昨秋、北海道から運んだ一位の樹齢約500年の原木を、
いよいよ施術・鉢上げの為に、羽生雨竹亭(第3岩崎培養場)に、木村正彦師と門下の藤川氏・森山氏、
そして私とスタッフのみんなで、木箱から施術へ向けての作業に入りました。
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上部の舎利芸豊かな部分に比べて、伸びた下部幹部分と根の状態は、
名匠木村正彦師を持っても、“どうやってこれをたたみこむか”を 悩ませる状態です。
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ここからは、下部の不必要な幹部分を割いてはずし、水揚げの皮のみを小さくまとめて鉢入れする大胆な作業に入ります。
この樹が、最終的にどんな姿になるか、もうしばらくお待ち下さい!
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