雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴45年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”


秘匿され続けた、松島の東北真柏の逸材群!
現地の高橋さんが30年以上、すべてを山採り作出に尽して集めた百数十本の真柏達。

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初夏の頃、名匠木村正彦先生と内密に訪れて、高橋さんと将来の設計をして、木村先生の所へ数点を運び数ヶ月。
これが、一代で山採りから未公開で作出された真柏!? と驚く程の完成度❗️

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唯々、好きな山採りを続け、道なき道の果てに生き抜いた数百年の真柏達を、
山中で取木をかけ、1~2年、幾度も誰一人居ない山中へ行き、根着いた頃を見計らって、獣道を2〜3時間、巨木を背負い、誰も来ない自宅で数十年。
今回の名匠との出会いが、次代の日本の盆栽界に遺す名樹を生む事になりました。
弟子で宮城県多賀城で頑張っている、加藤充君の連絡でこの真柏逸材群を知ったのは、数年前。
“バイヤー達の餌食になるような事なく、東北の地で守ってほしい“ そんな私の願いを聞いてくれた木村先生には感謝しかありません。
所蔵真柏(全部高橋さんの山採り品)約200点! 出来れば一般に公開される来年までに、あと数点の逸材を木村先生にお願いしたいと思っています。

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“東北真柏の山採り未完の逸材群は生きていた!“ こんなフレーズで、『月刊近代盆栽』に、その全貌が公開されるのは、新春になりそうです。
ただ、海外でも人気の真柏は、札束を持ち歩く、“中国バイヤー“達の格好の餌食になりがち💦 

来年春には、愛好家の為に、自宅を公開したいとされる高橋さん。

「買取り希望の交渉、写真撮影は固くお断りします」


これを門前にかけて、この“未来の盆栽界の宝“を、みんなで見守りたいです。

【スッキリとした秋飾り!】


盆栽に興味を抱かれる方々、元々の愛好家のお得意様方。
羽生雨竹亭は、盆栽水石を楽しまれるすべての皆様への窓口を自負しています。
庭園の開設から16年。
応接展示室や展示場の屋根・壁も各所に傷みが生じ、8月下旬から9月中旬にかけて、大幅な改修工事をしました。
それに合わせて、工事期間利用が出来なかった庭園の整備と掃除をして、展示される盆栽達も一新しました。

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・・・自分で言うのも何ですが、❗️キレイ❗️になりました。
何が変わった訳でもなく、スッキリと開園当時の雰囲気に戻っただけなのに、とても清々しい気持ちになります。
多少の杭方の打ち直しや、植栽の撤去などをしましたが、全体の掃除を何よりも心がけて、
訪れる方々が、ゆっくりと、のんびりと、盆栽のある空間を楽しんで頂ければと仕上げました。


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庭内の老大樹や季節の盆栽達。
散策する楽しみとは別に、応接室には敢えて“何気ない季節の飾り“を縞ススキで設てみました。

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庭園に並ぶ名樹を前に、“これでもか“と、室内にまで高価な盆栽を飾るよりも、
お客様とゆっくり語らう前には、まるで“日本の野山の秋“がここにあり、その中でひとときを供させて頂いている。
この感覚を大切にしました。
ひとりで朝夕に庭に佇んでいると、言葉にならない“至福の時“を感じます。
何処からか、虫の音が聞こえて来る・・さあ、雨竹亭の秋の始まりです。


【未来を決める“水切り“開始❗️】

樹齢1000年を超えると推定される“東北真柏の生き神“。
福島の地で、安息の時を経て長くなりますが、名称、木村正彦先生の助力を得て、糸魚川真柏の枝穂接ぎがなされて1年半。


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既に接合部分は2倍に膨れて、幹から水を吸い上げているのは確認されていましたが、
猛暑も過ぎていよいよ各枝穂を生かして来たポットを外して、根への水を止め、幹との接合で生かす段階を迎えています。

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いくらちゃんと接いでいると思っても、これだけの老大樹、何本かの接枝は、根の水を止められることで、活着しない事もあります。
それでもいつまでも大事にし過ぎても、結果が出ません。
すべてのポットを外して、苗からこの枝穂の命を繋いでくれた土と根、そして水分を止める日が来ました。

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10日程経てば、活着の成否がハッキリします。
正直、ここを越えれば、完成までの数年は見えたも同じです。
高さ4mの巨木真柏が、半分の大きさとなり、巨大な日本を代表する作品になる日が近づいています。

【秋本番の庭園展示入れ替え❗️】

彼岸の季節、秋風が心地よい京都大徳寺。
酷暑を耐え抜いた庭園の盆栽達も、夏飾りの役目を終えて羽生培養場に帰るもの、
新しく庭園に飾られるもの、“中秋から錦秋“までの芳春院盆栽庭園は、
老大樹・枯淡の盆栽・造形的な景趣の作品・等々、多種多様な盆栽達に“衣替え“されました。


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4人がかりでないと運べない大型盆栽が多い庭、手入れも含めて羽生から2名、常駐1名、私と応援の京都古園、大溝さん。
合計5名でヘトヘトの3日間でした。
自分でも、メリハリの効いた庭園飾りになったと納得しています。

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まだまだコロナの影響で、訪れる方も少ない大徳寺。
でもそれも良しと思っています。
この庭園を預かる時、“生涯の仕事“と心に決めていました。
初めの1~2年、静謐な盆栽庭園も良いものです!
それに、その中でも来園下さる方々と、ゆっくりお話をする刻の良き事!
5年、10年、そしてその先、この庭はいつまでも続くのです。

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50年後のここは、私にも見られませんが、その中の1年、その中の1日を預かった事だけでも、盆栽人としてありがたい刻だと思っています。


コロナ下で、来園されるお客様も少ない1年。
以前より考えていた、庭園の応接室と展示場の外壁、屋根の改修工事が進んでいます。

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17年前、この地に盆栽園を作って、初めはいらっしゃる方々をお迎えする場も無く、
手入れをする所や、ベニヤ板に敷いてお茶を出す有様だった雨竹亭。
1年をかけて正門・外壁・応接室・展示場・を完成しました。
自然の風雨、商売や人生の風雨(笑)など、この庭と設備と共に歩んで来ました。
還暦になったら痛み出した所を修復しよう、思っていましたが、
2年前より、京都大徳寺の盆栽展園開園工事にかかり出来ませんでした。
風雨でひびが入り、箇所箇所には剥落も見えた建物の外壁。
コロニアルで葺いていた2棟の屋根は、捲れ上がったり、欠落していたり、
ここで改修をしないと雨漏りなど大きな立て直しになりそうだったので、9月いっぱいをかけての整備のしなおしをしました。

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不景気の中、なんで会長は設備にお金を掛けるのだろうと、スタッフが思う気持ちもわかります。
でも私は、盆栽園を開く者は、どんなに小さくてもどんなに粗末でも、訪れる盆栽を愛する方々に、
“やっぱり盆栽はいいなあ!“と、感じていただける場面を用意すべきで、名木が無くても、いつも“美しい庭と盆栽“を見て頂きたいのです。
ここで改修工事をしておけば、10〜15年は大丈夫でしょう。
丁度私がこの庭、この会社を守る時が終わっている頃です。
10月には、“あれ?なんか綺麗になった?スッキリしている“って、来園される皆さんに感じてもらえる庭園になっています。
コロナ!コロナ!疲れます。 
でも、そんな時だからこそ、広々として“三密“なんか程遠い盆栽園で、ゆっくり盆栽と季節の移ろいを楽しんで頂ければと願っています。

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