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盆栽歴47年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”



四国高松、松田清松園氏が、先々代より大切に培養してきた巨大五葉松群から、
現当主との交流で、樹形の数少ない樹を夏に譲って頂きました。

トラックで羽生に移送して、中国“宝山製“の朱泥鉢に、フォークリフト❗️の爪で揚げて植え付けました。

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大阪松と世界で称される宮島五葉松。
現地では“銀八“の愛称で育まれているものです。
4人でも持ち上げるのが困難な大きさ💦
私はどうしても、大きな樹が好きで自分でも困ってしまいます(笑)
でも、この年代の樹は、これからの日本、高松などの生産地でも、作ることが難しいものです。
年々培養畑に茣蓙を敷いて身を屈めながらの剪定💧

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何年も何十年もそれを続ける労。
時代の流れや生活の環境、様々な要因で、日本人が大切にしてきた“自分の労を惜しまぬ日々“が、
人件費という経済観念でこのような作品や仕事を遠ざけてしまっているのです。
考えれば、私たち盆栽家は、今までの過去の盆栽界の努力の遺産を糧にしているようなものなのです。

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せめてこのような樹を、ここから見事な大型盆栽にしてゆくことが、先人達への恩返しだと思っています。
3~5年、見違える樹相となる日が待ち遠しいです❗️


秋の深まりが一気に進んできたこの頃。
8日は「後の月」と呼ばれる十三夜です。

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9月の十五夜は誰もが知るものですが、10月のこの風物詩は、意外と知られていません。
外来種の“ススキ“が世間に蔓延り、ホントの日本のススキが日常から消えつつある今、
私達盆栽家は、純血種のススキを愛でることを大切にしたいものです。

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飾ったススキは「縞ススキ」、八方手を尽くして、縞ススキ、糸ススキ、鷹の羽ススキの素材生産の古老より、数百の苗を譲って頂きました。
今回飾ったものは、その素材から穂をあげたもの。

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夏の名残りを感じる十五夜とは違い、十三夜は、少しひんやりとする空気の中の静かな月を眺めて、過ぎゆく秋に“もの思う“世界。
昨日まで、ビニールポットに植えられていた苗のような素材が、床飾りの主役を演じる、
樹齢を重ねた名木達だけではなく、こんな風流な世界観も良いものです!
仄暗い灯りの中、儚げに揺れるススキの穂。
ここにある空気感が大好きです❗️


大阪の山の手、箕面の地。
自宅を割烹料理店として、腕を振う盆栽愛好家、矢内信幸氏。

お付き合いをさせて頂いて30年になります。

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名園・山田清香園・松竹園・竹山芙蓉園等々、長年に培った盆栽に対する審美は敬服すべきものです。
間もなく八十路を迎える中、今も箕面の地で、数百点の自作の盆栽達と日々
“今日はこの樹を座敷に飾ろう“と、作出に励まれています。

勝新太郎のような風貌、毒舌の大阪弁、初対面の方はちょっと“恐い“と先入観を持ってしまいますが、
長年のお付き合いのある私からみれば、なんて優しくそれを恥ずかしがって見せない方。
何よりも愛する盆栽をみれば、どれほど繊細な美意識を持っていられるか、一目瞭然。

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料亭の中庭も数年前から盆栽庭園に改修されて、お越しになるお客様と盆栽を挟んだお話をされる事が、何よりも楽しそう!
“本当の盆栽を理解する人達が減っている“  最近そんな言葉をよく言われます。
確かに“大将“からみれば、雅味や古感、飄逸とした味わい、そういうものが理解してほしいのだと思います。
2ヶ月に一度くらいしかお邪魔出来ない私。 何処かでオヤジさんが想う盆栽の素晴らしさを世の中に披露する機会を作るお手伝いをしたいと願っています。

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盆栽だけじゃなく、勿論料理も天下一品!
お付き合いのある道場六三郎さんと互角かなと思っています。
皆さんも機会があったら是非行ってみてくださいね!

そのかわりと、“盆栽好き“となると、食べている間、ずっと隣で楽しく喋っているかもしれませんが(笑)


台風一過の澄んだ青空。

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やっぱり秋空はいいですね!
庭内の遮光ネットも外されて、スッキリした中、応接庭園の彼岸花が今年も綺麗に咲きました。

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不思議なもので、天候不順など、その年々によっての気候の変化があっても、
彼岸花は秋の彼岸になれば、庭の杉苔の中からスッと花を伸ばしています。

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早めの実物盆栽・山査子や姫りんごも、秋色の実姿をもう見せています。
こんな澄んだ空の日々がずっと続きますように❗️


コロナ禍で2年間出来なかった、15年続く展覧「越佐・楓石展」が、
新潟県長岡市の
酒元“久保田“で有名な朝日酒造の保存建築物「松籟閣」で開催されました。

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水石協会の役員として、越後を代表して尽力している友人の中川さんが肝入りをされている関係で、毎回拝見に伺っています。

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昭和前期の「モダンを取り込んだ和風建築」は、いつ見ても素晴らしいものです。

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古典に則った水石や山野草の座敷飾り!
いいものです❗️

座敷飾りから生まれた明治からの盆栽水石の趣味。
今ではこのような展示会を開ける場面も少なく、会場を提供してくれる朝日酒造にも感謝!です。(久保田くれないけど💦)

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世界に広がる盆栽と水石。
日本が捉えた美を伝える機会として、多くの人達に伝えたい文化です‼️

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