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盆栽歴42年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

先日長野県小布施町に居る鈴木伸二さんの所へ伺いました。

20年来の友人と盆栽を通しての将来を語り合うひと時はかけがえの無い時間でした。

盆栽作家としても国内有数の彼の所の作品は圧倒的な存在感です。

二人でいつかは世界に冠たる盆栽美術館を国内に創る夢を話しました。

歩く道は其々に違っても、盆栽を通して見える「生きる」ことへの命題は同じだと思います。

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主木 山柿
掛物「来雁図」

手頃な寸法の味わい深い柿の盆栽です。

園芸的な丸幹の切傷のある柿の鉢植はよく見ますが、
この木の様に実の“重さ”でたわわな枝姿を描き出すものこそが、
柿盆栽の有るべき姿と言えます。

誂えの白釉鉢によって、実色、葉色との調和を図っています。
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掛物に描かれた雁が列をなして舞い降りてくる様は、
“日本の秋”を表現するのによく扶けています。
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さり気ない季節の盆栽飾りの中に、樹、鉢、取合せの掛物という
「三位一体」の美があります。


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立ち上がりから幹中央やや上迄は真柏としての幹芸満点の樹ですが、
上部の水吸いが正面に立ち、樹冠の舎利味を隠してしまっています。

水吸いと舎利を上部のみ割いて水吸いを舎利の裏側に巻き込む施術を来週行って
ブログでご紹介させて頂きます。

樹冠の動きで真の名木が誕生します。

 


「秋の観賞会」の応接間は日替わりで名樹が飾られますが、
この真柏の様に“何処となく何処かで見た風景”を感じる作品も心和むものがあります。

宮城県石巻に近い名勝「松島」に見られる美しい景色がこの中に見えてきます。

「見立ての美」と言うものを日本人は大切にしてきました。

この樹はそんな“借景”の世界を楽しませてくれます。

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昨年まで栃木県鹿沼市の花木センターで開催していた「至宝展」を
今秋からは本店雨竹亭で「秋の観賞会」として皆さんをお招きして開くことになりました。

盆栽が色とりどりの表情を見せてくれる心地良い季節の始まりです。

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床の間は格調高く黒松に日の出の掛け軸、脇に瀬田川の遠山石。

庭園に散りばめられた盆栽達も秋色の装いになっています。

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