雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴42年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”


「秋の観賞会」の応接間は日替わりで名樹が飾られますが、
この真柏の様に“何処となく何処かで見た風景”を感じる作品も心和むものがあります。

宮城県石巻に近い名勝「松島」に見られる美しい景色がこの中に見えてきます。

「見立ての美」と言うものを日本人は大切にしてきました。

この樹はそんな“借景”の世界を楽しませてくれます。

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昨年まで栃木県鹿沼市の花木センターで開催していた「至宝展」を
今秋からは本店雨竹亭で「秋の観賞会」として皆さんをお招きして開くことになりました。

盆栽が色とりどりの表情を見せてくれる心地良い季節の始まりです。

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床の間は格調高く黒松に日の出の掛け軸、脇に瀬田川の遠山石。

庭園に散りばめられた盆栽達も秋色の装いになっています。

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名匠 木村正彦先生の所で6年の修行を終え、
故郷九州太宰府で著名盆栽家の父と正業に励む中、
最近は羽生雨竹亭の名木素材を一心不乱に手入れする森山義彦君。

26歳の将来を属望される彼は近来稀に見る
“名匠への期待”が出来る逸材です!

月のうち10日間程毎月手入れ仕事に泊まり込みで雨竹亭に暮らす彼を皆んなで応援してあげて
下さい

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秋も徐々に色濃くなるにつれ、松柏盆栽の本格的な手入れが出来る季節になりまし
た。

先日ある所から未公開未完の五葉松が手に入りました。

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荒ぶれた立ち上がりの姿
や葉性の素晴らしさが
「この樹は世に出る名木になる」と確信しました。
一の落ち枝を出来るだけ屈曲させ、各枝に
“はずみ”を持たせる間調子に仕上げる事で
今回第1回目の整姿を行いました。

引根の処理、鉢映りなどまだまだ完成迄にやらなければいけないことが山程ありますが、
どうぞご覧ください。

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真柏の素材が激減する中、プロの月例市場
(交換会と呼ばれるオークション)に流通するクラスは
“国風展には届かず一般愛好家には高額”
と俗に言う中途半端なダブツキ品がほとんどです。

でもそんなクラスの真柏を樹造りや鉢合わせでワンランク上の鑑賞価値にすることが
私達プロの仕事だと思っています。

この樹はまさにそのような樹で真柏の大切な「風雪に耐えて生き抜いた姿」が感じられる所があります。

今回は見付(正面)を変えてひとまわり鉢を小さくして少しでも
“荘厳”な雰囲気が出るようにしてみました。

敢えて真柏の基本と言える
“根元に水吸いが見える見付”
と言う概念を捨てて天然の舎利幹の美を強調した正面として、中品ながら迫力ある景を見せる作品であることを大切にしたものです。

従来の正面の写真と両方を見比べてどち
らが良いかご覧になって下さい。

(どちらもいいかな?)
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