雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴45年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”


外出を控えてご自宅にいる時間の多い中、退屈しのぎに、“売れ残りのかわいそうな石や盆栽で、遊んでみました。
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石は水石として1点では見づらいもの。
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真柏は細いまだ6〜7年生の若木。
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これに砂と何でもいいから水盤の代わりになるもの(観葉植物のトレイなどもいいかも!)
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有名な庭師の方が言いました。
「石には必ずどこか見所があるもの。そこを見せて見づらい所はたとえ半分でも庭に沈めるんだよ」
この言葉と同じに、小さな石の中にも、厳しさや雄大さ、そして「どこかの風景で見たことがあるような」所があるものです。
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これを自分の感性で思いのまま組み合わせてみると、意外な景色が生まれるのです。
手前に「近景」を作って、奥に「遠くの風景」を合わせてみる。
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もし、お手元に何か風景を扶けてくれる今回の船みたく、フィギュアのようなものがあれば、
それを風景の中に上手に組むことで、より実景のような世界があなたの手によってできます。
石の置き方、盆栽の種類などで、僅かな持ち物でも、千変万化!
ご自分のリビングや机の上に、あなたの心が描いた「貴方だけの心の風景」が毎日その姿を変えて現れます!
ウィルス災禍の辛いニュースがテレビを覆う毎日。
せめて盆栽と石が、部屋の中で癒しと楽しみになる事を願っています。
盆栽屋の手慰みでした!



まだ4月の半ばだと言うのに、羽生の庭の藤の盆栽は花房が開いて降り始めました。
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藤は蔓性で、持込みの古い単幹のものが少なく、この樹のように枝先まで切返しの無いものは貴重です。
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年に一回の花物盆栽の咲き誇る時、一度はちゃんと床飾りをしてあげたいですね。
今回は、藤の花に合わせて「雲雀・ひばり」の細身の掛軸を使いました。
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通称「揚げ雲雀」と言われるこの図柄は、本当は4月末から5月中旬に使うものです。
田畑に早苗や若葉が茂る頃、天高くに囀る(さえずる)鳥です。
まるでヘリコプターのホバリングのように、1か所に留まって鳴いています。
陽春の代名詞の雲雀と、花房を降す藤。
これだけでも、充分な見応えのある飾りですが、
脇に添景、まさに名の通り、景色を添える様々なものを取り合わせることで、
更に盆栽を中心にした世界観・季節感・そして風趣が描き出されます。
今回は、木彫の農屋を象った置物にしました。
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金工として名高い本間琢斎の作品です。
藤などの花物盆栽に合わせる添景は、そこに現出する景趣は勿論大切ですが、できれば花に金属のものは避けたいものです。
添景の“格”や強さは、金工物・陶製・木彫・の順になります。
どれが良いと言うのではなく、主飾りになるものによって、脇飾りの質(マテリアル)は違ってきます。
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花咲き、ふり降りる藤、仰げば天高くに雲雀の囀り。
穏やかな陽春の日和の中にひっそりと長閑に庵ひと棟。
飾りとは、ありのままの自然の風景を、心の中のファインダーを通して、余計なものを消し去ってしつらえるものです。
是非、皆さんも、ご自分の盆栽や水石で楽しんで下さい。
一点の観賞から、設えの組み合わせで、日本人ならではの総合的な美が毎日楽しめます!

【初公開!改作室!】

桜の花がまだある中、木村先生が30年かけて手作りで作ったツツジの生垣はもう花が咲き誇っています。
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このアプローチの奥が先生の自邸、左が作品庭園です。
80歳を迎えても毎日制作活動をされる先生。
最近の作品から代表的名品まで、この庭で静かな日々を先生と送っています。
そのすぐ脇の一室に先生が半世紀変わらずに盆栽整姿をされる工房があります。
今は私の津山檜の仕上げ仕事をして下さっています。
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先生は昔から正座をして針金掛けをなさいます。
樹に向かい合って、膝の屈伸で仕事をした方が早いと言うのが先生の考えです。
この考え方・盆栽に対する姿勢にも頭が下がります。
コロナウィルス災禍で、外出での余暇がしづらい日々。
ここは先生と盆栽の楽園のようです。
何も変わらない毎日が続いています。


福島県へ手入れに出向いた時、昨年の同じ頃初めて出会った「種からの栽培」を今も大切に続けている『野尻種苗』さん。
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何も無い所から新しい命を産み出し、そこから将来の盆栽が誕生する・・
私達盆栽家が忘れかけている原点の姿がここにあります。
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名木や名器を扱う日常、そんな日常がコロナウィルス災禍で崩れている今、15歳の冬、修行に入った46年前のあの時、
毎日ハウスの中で“元接ぎ”技法で八房五葉の苗木を各種作っていた頃を思い出しました。
先日も栃木県の交換会で、あの頃作った瑞祥が立派な盆栽になって登場したことは、この福島の実生苗作りに通じる感慨がありました。
人々の生活すら煩わすコロナウィルス。
こんな時盆栽業としてすべきことは、次の時代に残す命をたくさん作ること、
そう思ってスタッフに相談したら、みんな“やりましょう!”と言ってくれました。
事情を話して野尻さんの常務が
「本当は契約栽培が殆どですが、森前さんのおっしゃる気持ちに応えたいので、特別にお分けします」!
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五葉松3年生1000本・黒松2年生500本。
私達はこの命を守り育てる責任があります。
仕事もしづらい毎日、こんな時新しい命にふれることは、とても嬉しく、何か忘れていた感覚が蘇ります。
一年後、この子達がどんな姿になっているか、ぜひご覧にいらして下さい。
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【総額10億円超えの春の手入れ!】

福島市に八分咲きの桜が咲く中、
毎年恒例の舩山会長邸・春の手入れ植替えにスタッフと宮城県の加藤充君・埼玉県の森山義彦君の合計7人で伺いました。
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あいかわらずの名木群。
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無粋な盆栽商的見方をすれば、ここにある盆栽達で約10億円と言う価値もあながち夢とは言えません。
手入れの方は総数200点を超えるコレクションの内、事前に予定した数十点を手始めに、
今回は外庭に植えてある8年前に移植して届いた吾妻五葉松の素材の鉢上げもしました。
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十数年、毎年行なってきた植替え手入れですが、いつのまにか樹が徐々に古色と格を帯びてきたのを感じます。
鉢合わせも既に尽くしたものが多くなり、根ほどきによる「本植替え」と、
表土の目詰まりを避ける為に、上土をはずして表面の水の浸透を良くする「表土替え」の二分する作業をしました。
出入り方として、普段は舩山会長に水遣り・消毒・施肥・をお願いしている中、会長が普段盆栽を管理なさる時に、
少しでも樹の為になり、会長の仕事が楽になる事を願って、それぞれの樹に合った手入れをしました。
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おひとりの愛好家の棚をこうして長くお手入れに入らせて頂くと、“盆栽は手入れを続ける事で完成されていく”ということを実感します。
金銭的な価値観などここにある樹達には関係ありません。
みんな平等に舩山会長の愛情を受けて育っているのです。
五葉松のふるさと・福島県吾妻地方。
吹く風の冷たさが樹を育んでくれる事を肌で感じる3日間でした。

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