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盆栽歴49年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

芳春院盆栽庭園・大展示替え❗️大観展に向けて‼️】

今月下旬に開催される『日本盆栽大観展・於京都みやこメッセ』に合わせて
大徳寺芳春院盆栽庭園も、“晩秋~初冬の秋色展示“に羽生雨竹亭からトラック輸送で、大幅な展示替えをしました❗️
山柿・椿・もみじなど、季節を彩る盆栽、そして大観展に「京都国際文化振興財団」が特別展示する一位の巨木、
戦国大名上杉謙信のゆかりを持つ『謙信峠』を出品前の最終手入れをする為に、名匠鈴木伸二さんの所に移動している今、
庭園の“顔“として、同じ一位の名樹(これも同財団の所蔵樹)『白昇龍』を羽生から運び込みました❗️

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圧倒的な庭園の巨木名樹に加えて、庭内の“通玄庵“の床の間や、展示棟には、誰もが自分でも楽しめる親しみのある盆栽達も設えました❗️
真柏の文人樹の風韻、筆柿の晩秋の風情、盆栽の素晴らしさを少しでも伝えたいと願っての取り合せです。

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開園してもうすぐ3年、海外を含めて多くの方々がご覧頂くこの庭園、
秋の紅葉観光で賑わう京都で、日本盆栽大観展に訪れる皆さんも、“この機会に“と昨年も多くの盆栽愛好家が来園下さいました。
50本を超える選抜された盆栽達、どれもが庭園の構成美に大切な配置!

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ひとつの庭園の“姿“は、2週間程で数本が季節の役目を果たして入れ替わります。
今月いっぱいの芳春院盆栽庭園の“満喫の秋“。是非皆さんもご覧にいらして下さい。


間もなく京都で開催される『第43回日本盆栽大観展』への出品の為、愛好家秘蔵のケヤキの大樹が、羽生に運ばれました❗️

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展示を前に卓を合わせる為に、応接展示室に持ち込みましたが、私も半世紀盆栽に携わって来ましたが、
これだけの丸幹太幹の大型ケヤキは、今までに扱った事がない樹です。

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美しい黄葉を見せる樹。
大観展では寒樹の葉落ちの姿での展示になります。

僅か1週間の黄葉の勇姿❗️
床飾りを構えてみました!

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時雨の中、寄り添い飛び交う雀の画、遠くには、“京都“を想う三重塔。
根元の幅45cm❗️を超える大樹❗️
それでも、単に“太い“と言うだけではなく、条件を整えた樹姿の名樹。
やっぱりごまかしのない大樹は良いですね‼️


12月に上野グリーン倶楽部で開催される「第49回・日本盆栽作風展」に、
この雨竹亭から巣立った盆栽家と現役のスタッフ達が出品に挑戦して、各樹共にそれぞれ受賞の評価を頂きました❗️

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10年の羽生、1年の辛苦の中国、今は奥さんとお父さんと故郷宮城県多賀城市で、お客様の手入れを中心にした活動をしています加藤くん。
東北人らしい“朴訥“とした性格。
福島の著名愛好家の舩山様の所では、いつも手入れを手伝ってもらっています。

今回、舩山様のご厚意で、彼が長年手入れを続けてきた蔵樹を出品させて頂きました。

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“本物の吾妻五葉松の古樹“として、プロ達も夙に知る名樹。
作風展と言えば真柏を中心とした、“表裏逆転“や、素材を大きく変える姿にどうしても注目が集まりがちですが、
多くの盆栽家達が、その樹の持つ“個性と味わい“を損なう事なく、
年々と愛培を重ねてこそ醸し出る“老樹の姿“を“作り過ぎずに培養する“ 事も、
立派なその盆栽家の“作風“では無いでしょうか!

中身の濃い樹と言う評価で、この樹も“委員会賞“を頂きました。
舩山様ごとく、“一所懸命手入れをしてくれる方々、少しでも若い皆さんの為になるなら“と、愛樹の出品を快諾して下さいました。 

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小店副社長、島田君も、同じく手入れのお手伝いをしている愛好家の方より、
岩しでの古樹をお預かりして、同じく委員会賞となりました。

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スタッフの近藤君は、数年前より、先の舩山様より“この子に1本樹を預けてくれませんか?“とお願いして、
五葉松の根上がり盆栽を、整姿・針金・植替え・鉢合わせ、そして何よりも大切な“時間をかけた落ち着き“を培養で仕上げました。
結果、新鋭作家部門で、初挑戦での“銀賞“❗️
よく頑張りました。

盆栽家、将来に夢を持つ若い面々は、作風展などに出品したくても、その素材を自分のものとして長く持ち続けるには、資金力が足りないものです。
資産家や盆栽園の二代目など、恵まれた環境の者ばかりではありません。
今回のように愛好家の方々が、見守って協力してくださる事で、成り立つものです。
さて、3人とも来年への心構えが大変です💦
ガンバレ❗️ヒヨコ達‼️


好天が続く秋空の下、羽生雨竹亭恒例の“秋の観照会“となりました。

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常盤の翠をみせる松柏類の数々と共に、季節を彩る実物や紅葉の雑木盆栽達。
応接庭園もお迎えの“衣装“を着たような配置です❗️

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展示場も盆栽をはじめ、水石・卓・古鉢・掛軸など、盆栽や水石を飾る道具立てを大切にする雨竹亭らしい品揃え❗️
スタッフも年に2度のこの催しで、雨竹亭の半年の変化を皆さんに楽しんで頂ければと、庭内の整理整頓に努めました。


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スッキリと配置された盆栽、各所に展示された数々の品々。
やっぱりお迎えする姿が整うのは良いですね‼️
是非皆さんもお遊びにいらして下さい❗️


秋の観照会についてはこちらから


コロナ禍の前年秋、木村先生達一行と中国真柏山採りの現地視察に出向いて以来、

その後のコロナ禍もあって、4年と言う時間を海外に出かけませんでした。

雨竹亭オリジナルの盆器も在庫が底を付きはじめ、その制作現場との打合せもあって、久しぶりの訪中となりました。


まずは私の中国とのを開けてくれ、木村先生と共に日本で3年間見守った若者2人、郝(ハオ)君と、趙(ツァオ) 君を、

手軽な盆栽の商売人にはならずに、真の盆栽家となるよう、屋敷内に住まわせて下さる、王永康先生の所へ伺いました。

70歳を超えて今なお、中国盆栽界の良心として多くの後輩に慕われる王先生。


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伺った時も、黒松の逸材中の逸材を、友人の台湾名匠と見事な改作をされていました!

2万坪の庭内❗️

数えきれない程の真柏・黒松・五葉松の将来性高い所蔵樹達。

“4年経てば、日本の皆さんにも高い評価をしてもらえる樹になればと、

樹の将来を見据えた捉え方は、私達日本の盆栽業も見習わなければと、痛感しました。


もう一つ、11月に京都で開催される、43回日本盆栽大観展の世界から3名選ばれた、

海外審査委員として、アジア地域を代表する、常熟市の張小寶会長への表敬と、大観展審査委員の招聘状のお届けです。

愛好家として、人徳者として、中国盆栽界の頂点に立つ張会長。

その盆栽コレクションは、4年ぶりに見ても、圧倒的な名樹群❗️


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しかも、日々スタッフの方々への指示で、満点と言える管理状態と樹造り❗️

自身に関わるすべての人達に対する、真摯な思いやり。


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国を超えても、社会制度が違っても、盆栽を愛する人達のは、ひとつの願いの中にある事を感じました。

社会やそこに暮らす人達が安寧で幸福であることです。

何十回も訪れて来た中国ですが、こうして長い期間を経ても、多くの事を教えて頂いたように思います。

さて、明日からは、盆器の旅の始まりです❗️

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