雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴42年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”


帝都の杜に集められた名石70点!

日本水石界の歴史そのものと言える「日本水石名品展」も 数えて57年目。
都心の杜深き中に佇む社務所講堂と神域である内陣西廻廊。
ここを舞台に今年も、全国から厳正な審査で選ばれた秀石達が、一堂に展覧されました。

今回は特別出品として、京都国際文化振興財団「慶雲庵」より、
有栖川宮旧蔵 盆石「洞天」が出品され、併せてこの石に付属している画帳『洞天帳』も飾られました。

勝海舟・山県有朋・富岡鉄斎・田能村直入・伏見宮貞愛親王・等々、
明治を生き抜いた巨人達がこの石に賛を寄せた綴りが現存している事で、神宮の識者達も驚いていました。
徳川慶喜・厳島神社・岩崎財閥家・出陳された秀石達は、日本の歴史を共に歩いてきた遺産でもあります。

十数年前の記憶が蘇ります。
協会理事職に就いて間もない頃、この展覧も明日で終了という時に、当時の外山宮司様より
「明後日、天皇皇后両陛下と皇太子殿下がご参拝にお越しになられます。それまで展示を伸ばしてくれませんか?」
との依頼。
私と妻は、お迎え役として 当日この 西廻廊内陣にいる事になりました。
学校もろくに行けず、盆栽水石しか出来ないものが、
この様なお役を仰せつかるとは夢にも思いませんでした。
ありがたいものだと本当に思いました。
何も語らぬ石に心を寄せ、声無き声を聴く・・水石趣味は静かに深いものです。


【明治150年!神宮創建間もなく100年!】

私が事務局長を務める日本水石協会主催による「明治神宮奉納盆栽展」も、今回で20年になります。

当時私が協会の理事に最年少で就任した時、私の発案で始めた展覧、
こうして協会の行事全体を指揮する立場になっても、この展覧は想いが深いものがあります。

東京の観光地にもなっている明治神宮は、連日8,000~10,000人が訪れ、
そのうち約7000人が海外の方だそうです。
盆栽を飾っている時も、携帯を片手に群がる旅行客。

今回の展示で一番素晴らしいと思ったのは、
今春東京都美術館で開催された「国風盆栽展」に出品された真柏です。
大阪方面にあったものを手に入れて愛好家にご紹介して数年、樹の仕上がりも良くなりました


【国風賞・内閣総理大臣賞 の盆栽達がズラリ!】

毎年 秋に京都で開催される「日本盆栽大観展」の実行委員長に 
永年の友人であり、盆栽作家の鈴木伸二さんが 任命されました。
" 協力してほしい"との 彼の懇願を請けて また 業界のボランティアが増えそうです(笑)。
先日 打合せで 彼の盆栽庭園へ赴きました。

相変わらずの 手入れの行き届いた 盆栽と庭 には、いつも頭の下がる思いです。

2年前、四国 高砂庵より、故岩崎大蔵先生の遺品盆栽 千点以上を 私の庭に運んだ時、
"息子の為に譲って欲しい"と 彼の願いに応えて割愛した真柏。
当時は状態もあまり良く無く、"彼なら蘇生出来るかもしれない"と思って譲った樹。
葉の緑も濃く、樹勢が素晴らしくなっていました。
"彼に託して良かった!"と、心から思いました。
きっと次の時代、木村正彦先生のところで腕を磨いた彼の息子さん達が、
名樹への道を歩ませてくれるでしょう。

私や伸二さんがここから
"やらなければならない事"・"次の人達に受け継がせなければならない事"、
いろんな事を思う小布施の1日でした。


【大改作の末、風雅展に初公開】

世界盆栽大会で一世を風靡した「Funayama Collection」。

本当は飾られた樹々は、コレクションのごく一部です。
今回 第7回 風雅展 に舩山さんが出品された真柏、
2年前四国高砂庵 岩崎大藏先生のコレクション全品が羽生に届いた時、
"2~3年作れば世に出せます"と言う私の言葉を信頼して下さって、この2年間作ってきました。
未完ですがおよその樹姿も仕上がったので、風雅展の正面床の間に飾り、
新たな姿で披露させて頂きました。
銘もまだ無く鉢合わせも百点とは言えませんが、またひとつ未来に遺す作品が作れたと満足しています。

2017年5月27日から行われた風雅展
(すでに終了しています)


【銀座雨竹庵 盆栽ワールド! 14日まで!】

銀座にこの春オープンした"和"のテイストをコンセプトの総合複合施設、
ギンザシックスにある蔦屋書店は、全国に展開する同書店の旗艦店。
ここに私共 銀座雨竹庵が"本物の盆栽"をレンタルで提供させていただいていますが、
"盆栽のコンセプト展示をしましょう!"と言う蔦屋書店さんからのご依頼を受けて、
14日まで まるで大英博物館の中にあるブックライブラリーの様な空間に
小店精選の盆栽群を展示させていただいております!

趣味・文化・教養・・そこにボンサイ。静かな図書空間に「人格」に似た存在感を持つ樹々達が「よく来たね!」と迎えてくれます。
期間中、ぜひ覗いてみて下さい。

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