雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴45年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

【盆栽水石・究極の世界観】

盆栽水石の趣味世界を、“道”としての美意識のレベルで見つめる同好会「玄虹会」
京都禅林名刹「芳春院」を舞台に今年も静謐な展示がなされました。
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コロナウィルスの惨禍で、開催も危ぶまれましたが、たとえ無参観でも季節の飾りに込めた美を研鑽しようと言う会員の皆さんの想いのお手伝いとなりました。
文化財級の歴史的堂宇と茶室をご提供下さるご住職には感謝しかありませんでした。
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繰り広げられた各席の“設え”は、文豪谷崎潤一郎が著した『陰翳礼讃』に込められた日本人の美に対する精神的な意味と言うものを、無学な私にも感得できるものでした。
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ひとつひとつの盆栽水石の素晴らしさ・「連席」と言うひとりの方が複数のもので一席を設える世界・自然観の表現の裏側に込められた禅の教えにも似た“人が見つめる生き方”の想い。
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会期を片手に堂宇を巡る皆さんには、敢えて解説などをせず、観者の捉える見方を大切にしてほしいと言う会の思いがありました。
毎回、繰り広げられる世界観の中に、いつも新しい発見を感じます。
形骸化する盆栽展・水石展。
業界人として反省多き現代ですが、こんな展覧がずっと続いてくれる事を心から願いながら、至高の場に佇みました。
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コロナウィルスの影響で、お客様の来園も少ない中、盆栽家として何をすべきか?
やっぱり「樹を作る」事以外、私達に出来ることはありません!
昨年手に入れたとても珍しい「姫性ひのき」普通のひのきより葉が細かく、枝も密になります。
愛好家が盆栽と言うよりも、自分の庭先に大型園芸用のポットで何十年も培養した丹精なる“中途半端な樹”です。
半年間、培養場で時々“どういう風にしてあげることが、この樹のためだろう?”と思案する中で、
いつの間にかこの樹の本当の姿が浮かんできました!
・・頭を落として幹模様の流れを美しくする、それに合わせた枝の動きを鋏で切り替える。
大きな手入れをする時は、その樹の仕上がった姿が瞼に浮かんでからするように心がけています。

おおよその姿が出来ました!
流麗な幹の流れを持つ姿、その美しい幹の流れを扶ける枝の動き、これで鉢合わせに入ります!
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直径90㎝を超える大型鉢、毎年中国へ行って、自分で使いたい鉢を宜興から注文制作していることが役に立ちます!
ここからは、時間をかけて少しずつ「本物」への道を私達と一緒に歩いて行きます!
今まで醜いアヒルだった子が、白鳥、いや、鳳凰のようになっていく瞬間です!
それは一緒にこの樹を改作したこの若き盆栽家の面々と同じです!
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【雨竹亭・大徳寺盆栽庭園・体験研修の実施!】

羽生雨竹亭は今、春の雑木盆栽の植替えに日々明け暮れています。
単に植え替えるのではなく、その樹をどうすればより良い樹格になるかを、想定しながらの、
簡単に言えば、樹の将来を決める大切な作業でもあります。
盆栽歴46年目の春、昔ほどの馬力もなくなりましたが、若き研修スタッフ達に、手入れ技術と“大切な捉え方”を伝えながら、植替え・改作に励んでいます。
今年の秋には、日本有数の禅宗寺院・京都大徳寺内に、500年を超える歴史で初めての盆栽庭園を造営します。
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私のような盆栽と水石の世界以外、社会人としても落第点だらけの男、
幾度もご住職に分不相応なのでご辞退を申し上げたのですが、四半世紀のご交誼を頂く現在は大徳寺派大本山の宗務総長を務められる芳春院ご住職のお言葉、
羽生の事や、水石協会、盆栽流通業界に対して、やらなければならない事も多いのですが、
与えられた残りの人生の大部分をこの盆栽庭園が営々と続く仕組みを残すことが、私の役割と心に決めて取りかかっています。

さて、そんな私を取り巻く今ですが、若い盆栽界の将来を担う方が不足しています。
せっかく名刹に庭園を作っても、受け継ぐ者がいなければ、意味がありません。
いろいろ考えた末に、広く門戸を開いて多くの方々に挑戦してもらえれば良いと考えました。
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これより数ヶ月、「盆栽や水石を道として生きてみたい」という思いで、私に応答を頂いた方を、
一度お会いして、1~3週間の実施研修をして頂いてみようと思っています。
皆さんは盆栽・水石と言うと、何かとてもマニアックで難しい印象でしょうが、私も15歳でタオルと歯ブラシしか持たずに師匠に入門した者です。
大切なのは「自分はどのように生きればいいのか?」
そんな事を自問自答している人の方が、身体全体と心でいつのまにか、“何かを探す”事が出来るものです。
羽生には、研修用の個室もあります。
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8時〜18時、庭の掃除から始まって、園内の盆栽水石に関わるすべての仕事を体験してもらいます。
研修中は6日間を1クールとして朝夕の食事代を含めて5万円を支給します(昼食は社員弁当を無料支給)
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3クールを達成出来た人の中から、大徳寺への私のアシスタントを探したいと思っています。
勿論、羽生雨竹亭のスタッフになる道もあります!
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「テッペン」を望めるチャンスが誰にでもある盆栽界です!
問合せ・面談は随時OKです。 
未来の「私」と出会える事を楽しみにしています。 IMG_5898

お問い合わせはこちらから

羽生雨竹亭 
TELL:048-565-4114
Mail: info@bonsai-s-cube.com

※お問い合わせの際は「研修採用のブログを見て」とお伝えください


【徳川慶喜家旧蔵石を首座に大展覧!】

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「水石文化を美術館で」この願いを胸に、現在の展覧会を企画したのが8年前。
上野寛永寺「黒髪山」永青文庫「重ね山」西本願寺「末の松山」など、日本水石文化の中で、燦然と輝く名石を迎えて回を重ねてきた本展。
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お陰様で 172席の出展。
国内はもとより海外からの出品も30席以上!(これが日本の愛好家も叶わない?程の良石!)
昨年までは、ポスターに迎える名石を、美術館や名刹などの蔵石としていましたが、
今回からは、民間に秘蔵されている歴史的名石としました。
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根尾菊花石・銘「皇山・おうざん」
“ 最後の将軍” 徳川慶喜家が伝承したもので、最近まで個人宅に秘蔵されていたものです。
令和初の日本の水石展、東京オリンピックの年に、咲き誇る菊の花々の石。
事務局長として、非力浅学の私が、理事諸兄を中心に多くの皆さんの応援でよくここまで来たなあ!と感慨深いものがあります。
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盆栽に比べれば、まだまだ周知が足りない水石の文化、もう少し頑張りたいと思います!

【木村先生も出展!】

私達 羽生雨竹亭のある街で、この地域の盆栽協会支部展が開催されました。
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地域の盆栽愛好家の皆さんが、ご自信の手で丹精を込めた作品達、
先日の国風展とは違った「盆栽を愛する」人達の息付きに心温まる展覧でした。
市民プラザの一角を借りて、会員のみんなで手作りの設営。
愛好家の方々を導きながら共に頑張っているのは、私達の大先輩の鈴木さん。
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お年はなんと93歳!
ホントに頭が下がります。
展示には季節を楽しむキブシや椿、何気なくオシャレな樹達。
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会員の皆さんとお茶を頂いている時間は、盆栽人のひとりとして「ここに足元がある」という事を本当に感じる時間でした。
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雨竹亭も当日は月2回の盆栽教室。季節的に植え替えなど、生徒さんも忙しそうです。
いつのまにか、雨竹亭も皆さんの注目を頂く店となりましたが、
業界の仕事、会社の運営、お得意様のお手伝い、日々 駆けるように過ぎてゆきますが、
盆栽園がしなければいけない「地域の盆栽愛好家の皆さんへのご奉仕」をもう一度振り返る機会になりました。

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