雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴45年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

【特別支援学校での盆栽教室】

昨年から始めた、雨竹亭のある羽生市内の特別支援学校「羽生ふじ高等学園」での盆栽教室。
15才の生徒達は、ここで一生懸命、社会に対応できるように、
農業、園芸、その他様々な技能実習を行なって、3年間を過ごします。

“盆栽の教室をしてくれないか?“と言う依頼に私は快く引き受けました。
今も、小学校2か所で盆栽に対しての授業をボランティアで何年もしていますが、高校生の年代の子達への授業は、ここが初めてです。

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一般の高校に行かず、中学校卒業の経歴にしかならない子達、私も義務教育しか受けられずに社会に出た身。
盆栽を通して、少しでも役に立つならと年に数回の“盆栽の先生“をしています。

真柏の素材を皆んなにプレゼントして、苗木からの植替え、幹への針金掛けをしての基本作り、そして枝作り。

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毎回進むにつれ、ここに生きる生徒達の“心の純粋さ“に、私こそが沢山教わる事があります。
盆栽も同じで、初めは素材として一級とは言えなかった樹が、歳月によって、見違える盆栽になる!
人も同じです!かく言う私こそが、盆栽に出会っていなければ、ろくな人間にならなかったでしょう。

ここで私がこの子達に伝えられる事がどれほどあるか?分かりません。
しかし、自分で手入れをして、年々水や肥料や消毒を続けていった樹が、いつの間にか、ちゃんとボンサイになってゆく。

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この“時間と姿の体験“をさせてあげてる事が、彼等の何処かの記憶に残ってくれればと願っています。
現場実習で、この日も何人かが、工場やスーパーに出かけていました。
出来れば、ここに居る“心のまっすぐでキレイな子達“から、羽生の盆栽培養場で働ける子が作れたら・・そんな事を夢見てます!

【圧巻の財団展示❗️】

コロナ禍で昨年中止となった晩秋の京都の大イベント「日本盆栽大観展」第41回展が、
11月19日~22日まで、歴史的文化遺産群の中心地、京都平安神宮前「みやこメッセ」で開催されます。
毎年、友人の盆栽作家である、鈴木伸二さんが実行委員長を務める事、
そして私が旧高木盆栽美術館を継承された、京都国際文化振興財団「慶雲庵」の美術館準備委員会室長を預かる関係で、
企画担当者として、同展の構成をする事になりました。

財団も間もなく美術館建設予定地の発表(場所は現在極秘です!)となる前の大展覧!
今回は、盆栽以外にも膨大な盆器・水石などを所蔵している財団ですが、“ここからの財団の姿“をスッキリと皆さんにご覧頂こうと、
所蔵する名盆栽から精選して、過去、国風賞や内閣総理大臣賞を受賞した作品のみで構成すると言う、前代未聞の形をとります。

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温暖化や盆栽の文化的歴史的価値の再評価が求められる現代、その保存伝承の為に財団が繰り広げている“真の姿“を圧倒的な所蔵盆栽群で披露します。

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海外の愛好家の皆さんの来場が難しい中だからこそ、映像などが、世界に拡散する事で、
“やっぱり日本の名樹は素晴らしい“と思って頂けたら嬉しいです。

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毎年の事ですが、11月は、雨竹亭の観照会・大観展・そして私が懇意にさせて頂く著名愛好家の団体
「玄虹会」の展覧が、京都禅林『大徳寺』で開催、準備、手入れ、展示構成・!!!
目がまわります❗️
それでも、盆栽や水石を皆さんにお伝えするこの仕事、ありがたいと思っています。
間もなく開催!楽しみにしていて下さい!


朝夕の冷え込みで、雨竹亭の盆栽達も少しずつ紅葉の色を増してきました。
応接展示室に、“黄葉“のイワシデを飾って、“秋“を室内に運んでみました。

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京都盆栽園老舗、大溝さんが作られた寄せ株立ちの古盆です。
葉性の良いイワシデを若木の頃に選んで作られたのでしょう。
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枝々の細やかな仕上がりも、自然に出来てゆく性です。

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取合わせの掛軸は、塩川文嶺の「散り紅葉」 時雨に打たれて散りゆく紅葉の葉が、過ぎゆく秋の風情をよく表しています。
脇には、峻厳な岳景を見せる揖斐川龍眼石。
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もうそこには季節を感じるものはなく、荒涼とした厳しい景色が現出されています。

里山の雑木林の黄葉、遠く仰ぐ山々には、吹き荒ぶ風、刻々と変化してゆく日本の四季、
誰もが唸る程の盆栽ではなくても、季節を楽しむことは出来ます。
私がいつもひとつだけ大切にしているのは、鉢の中での培養の古いもの、“持込み“と言われる古感です。
樹は年輪を重ねたものは、じっと見ていると、自然界の風雨に長い間晒されてこそ現れる“貌“を見せてくれます。
室内にこんな景色の表現を、出来れば月に2回はしてみたいものです。


“大型五葉松の山採り逸材が、熊本にある“との情報で、数年ぶりに九州の地に赴きました。
世界大会でその存在が明かされた“幻の五葉松“・『祖母五葉松』の作者、
(正確には江戸期より代々受け継がれた樹達を守り伝えた一族の現ご当主)田中古老の庭園に久しぶりに訪れました。


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祖母五葉松を拝見に伺ったあの頃も、世俗から離れた孤高の雰囲気を感じていましたが、今回お会いした時は、まさに“仙人“!
それでも、田中本家に残してある祖母五葉松群は、相変わらず見事な翠を湛えていました。

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“守り続ける“と言う年月を、人生そのものを捧げて費やした古老。
人も樹も、“生きる“という事を教えてくれるものだなあ“とあらためて教えてもらう時間になりました。


澄んだ空の下、羽生雨竹亭の盆栽庭園も、徐々に彩りを増しています。

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コロナ禍で、お客様に“遊びにいらして下さい!“と、お声をかける事も憚るような日常が続いてきましたが、
感染される方々が減少して、世の中も“外へ出かけて気分を晴らしたい!“と願う人達でいっぱいのようです。

私達盆栽業も、こんな時少しでも自然や広々とした庭園で、
のんびり盆栽の四季の移ろいを楽しんで頂くことが、皆さんに出来る事と、
スタッフで庭園や樹々・水石達を飾ってみました。


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一年半、今までにない刻をすべての人達が過ごしてきた中で、あらためて盆栽達をゆっくり観て頂ける機会にして頂ければと、願っています。

「観照会」の字に、“観賞会の間違い?“と言われますが、
観賞は長め愛でること、観照は目の前にある樹や石と自分で対峙して、心の内側にある景色を照らして楽しむこと、
その願いを込めています。

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葺き替えの済んだ展示場と応接室、壁の仕上げも開園以来の改修をしての開催です。
盆栽や水石達に、是非会いに来て下さい。
11月1日~7日9時~16時


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