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盆栽歴45年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

【1億円の五葉松、表土替え❗️】

時価1億円と言われる五葉松「天帝の松」

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10年間植替えをせず、肥料などで表土が目詰まりしていました。
超大型の松柏盆栽は、盆中の体積も大きく、根が鉢内に張り切るまでには至っていません。
このような時は、表土を大幅に削り取り、微塵で詰まった部分を、入れ替えます。

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特に根張りの近くは、水が通りにくく、
樹の芯へ水が入るようにするには、根張りの廻りを良く掘り下げて、新しい用土を入れる事です。
この時、土中の根を食べてしまう虫の駆除・予防の為に、
ランダイア粒剤を削り終わった表面に撒いておきます。
大型の松柏古木は、あまり植替えを好みません。
このように表土の入れ替えによって、水の浸透を良くすることが、培養的にも良いです。

名匠木村正彦先生の代表作である真柏「登龍の舞」は、
先生が作品として発表した30数年前から、1度も植替えをせず、この「表土入れ替え」のみで管理されているそうです。

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皆さんも1度試してみて下さい。


【半死の状態から、真の姿へ!】

今から30年前、明光商会創業者である盆栽愛好家、髙木禮二氏によって、
日本初の盆栽財団「高木伝統園芸文化振興財団」通称、“高木盆栽財団“が設立されました。
これを記念して、都内日本橋三越において、未曾有の盆栽・諸道具の大展覧が開催され、
選び抜かれた財団所有の盆栽が、三越内に特設された床の間造りの展示場に飾られました。

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五葉松「稲取」
この樹は、財団の会長職であった、瀬島龍三翁と高木氏で計画していた、伊豆稲取の地に、盆栽美術館を開設する記念に命名されたものです。
高木氏没後、稲取は市井に放出され、最終的には日立製作所の重役である愛好家の所有となりました。
その後、稲取は“葉降り病“にかかり、枯死寸前となり、樹の命を守るため、南蛮の名器を抜き、木箱での培養が始まりました。


5年後、樹勢を回復した稲取、満を持して、整姿、植替え、を先日行いました。
久方ぶりの針金整姿は、名匠木村正彦先生の愛弟子、森山義彦氏。

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“鳳が羽ばたくような”姿への改作、伝承名木の将来を決める大切な仕事、
師匠木村先生も、森山氏の仕事を、自身の仕事のように、傍で見つめていました。

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ゆったりとした袋式鉢に植えられた稲取、ここから第二の稲取の刻が始まります!


【陽春の瑞々しい盆栽達と水石・全庭が美術館❗️】

開園以来、ずっと続けていた『盆栽観賞会』。
盆栽家として、年に2回は季節の盆栽の美しさや、水石の持つ“内省の美“を伝える企画は、大切な使命と思ってきました。
コロナ感染予防の為、昨年は断腸の思いで、春秋共に中止しました。

今年も収まらないウィルス災禍。
それでも、澄んだ空気の羽生、動き辛い社会の中で、少しでも盆栽を眺める事で、心の健康を得て貰えればと、1年ぶりに観賞会を開催しました。

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応接室の青葉のもみじ、“目に青葉、山ほととぎす、初鰹“、溜まり石を添えての、季節の美しさを演出しました。

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展示場も葉色美しい盆栽達と水石群、前庭も千点を超える盆栽達から選んだ樹達を杭棒に飾り、
雨竹亭全体が、盆栽美術館のようになるよう、飾り込みました。

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訪れて下さる皆様の健康と幸せを盆栽達と願いたいです。


【特別支援学校『ふじ学園』でのボランティア開始❗️】

羽生雨竹亭に程近い場所にある特別支援学校『ふじ学園』。
県内に数カ所ある支援学校の中でも、自分達で作ったメロンなどをデパートで販売するなど、外に向かう社会活動で私もよく知る学校。
昨年、“生徒達に盆栽を授業に取り入れたい“と、学校から依頼され、今までの市内小学校2か所に加えて、今回から授業が始まりました!

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20名の農業技術課の生徒達、みんな15~16歳。
ちょうど私が47年前に、盆栽の道に入った歳です。
支援学校での盆栽指導は未経験でしたが、・・楽しかった!
みんな純粋そのもの!
目の前に置いた、真柏の素材を食い入るように見て、2時限の授業は、
30分の延長(先生、すみませんでした!)をして、植替えまで済ませました。

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ここから彼らが3年生、18歳になるまで、年4~5回の授業になります。
ハンデを持ちながらも、卒業すれば社会の荒波の中に放り込まれる子達。
私が彼らと触れ合う刻の中で、どれだけのことが伝えられるものか?
気負わず、自分が15歳から歩いた道を伝えながら、目の前の「生きた机上の大自然」を素直に感じ取ってもらおうと思います。

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でも、なんてピュアなんだろう。
一緒にいてこんなに楽しいとは思いませんでした。
来月は、羽生の庭にみんなが遊び(見学)に来ます。
孫のような(いませんが!)子達。
成長を見守るだけで、私こそが勉強になりそうです。


【3年目の第二次作業で姿を現しはじめた樹容!】

福島の著名盆栽愛好家、舩山邸の庭、大型盆栽で有名な庭の中でも、一際の巨大さを示す真柏。
千年を優に超える“神宿る樹“と言える圧倒的な姿のこの樹を2年前に、将来の日本盆栽界を代表する作品へ変貌させる作業は始まりました。

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三陸から戦前山採りされたこの樹は、現存する“未完の巨大真柏“最後の逸材。
舩山氏と旧知の間柄の木村正彦先生、東北の地に赴き、
「樹高を半分にして、糸魚川真柏に枝接ぎ技法で大変貌させる」と言う構想。
2年前の枝接ぎ状態も良く、今回は新芽が徒長しはじめた事を確認して、
接ぎ技法の際にかけた針金を外し、徒長した枝を“先に伸びるように“もう一度針金で方向性を与えました。

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陽射しが内枝にも注ぐように、上部の元枝を3分の2程切り落とし、
先生の判断で「よし!今日からポットの水を切って、穂が幹から水を吸い上げるのを見守ろう!」
1週間後、穂先が萎れていなければ、新芽は巨幹から水を吸っていることになります。
甘えさせずに、樹の生きる力を信じての大改作。おそらく先生が手掛ける“最後の巨大作品“となるでしょう。
「世界大会のシンボルになった名樹、飛龍 を超える樹になるよ」と先生の弁。


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既に3年後のすべての元枝を取り払った後の姿が浮かんでいるようです。
エスキューブ雨竹亭のスタッフとOB、先生のお弟子さん森山義彦さん、私も含めて、盆栽人として、生涯記憶に残る仕事になりそうです。
完成までの作業を年々このブログでご報告してゆきます。

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