雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴43年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

 【高見の見物(誰も乗ってくれない!)】

木村先生の との中国訪問から帰って、僅かに残った名残の桜を見て、伸び過ぎた枝や害虫が広がる前に、枝打ちをする事にしました。
背の高くなった桜達はもう脚立では届かず、友人の庭師から重機を借りて行いました。
“誰か乗って!”と言ったら、サーっと皆んな引いてしまって、結局数え60の私が箱に乗る事になりました。
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初めて乗った箱ですが、やっぱり機械を使うと仕事が早い!
残った時間で “そうだ!雨竹亭を高い所から撮っておこう!” と思って、色々iPad で撮りました。
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普段暮らしている所からの景色とはまた違う、いろんなものが見えた気がしました。

【席飾りの美しさ!】

今年は藤の盆栽が、花咲早く、普通は連休の頃まで楽しめるのに、すでに満開となりました!
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先日、海外講演へ出かける前に、雨竹亭の応接室に今年の藤の飾りをしたくて、取り合わせをしてみました。
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「長尺藤・野田藤」などと呼ばれる薄紫色の降るような藤の花々。
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この五月雨にも似た花姿こそが、日本人が藤に求める“記憶の中の美”ではないでしょうか。
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朧月と山河の雪解け水を湛える湖水を思わせる「黒鞍馬石」の景趣見事な天然石。
季節を映し出す取り合わせ飾りは、
誰が見ても その時の自然の“在りよう”を無理なく表現した席が、心に優しく映るものですね。



今回の木村先生を中心とする中国実演公演の旅の最後に、私も含めて同行の藤川さん森山君と共に、
安徽省まで5時間の高速道で、「神仙棲む絶景」と謳われる『黄山』へ行き、
木村先生のキツイ登坂を心配しながら“黄山松”の原生地へ辿り着きました。
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私も初めての黄山でしたが、ロープーウエイの上に広がる天空の山水世界に息を飲みました!
そして この日に78歳の誕生日を迎えた木村先生の体力と目の前に広がる絶景、
そこに生きる黄山松を見る少年のような眼差しに、“ああ、この人は本当に樹を愛して行きて来たんだ”と尊敬にも似た感動を覚えました。
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「藤川君、森山君、あそこの樹をよく見てごらん!どうやってあんな場所で何百年も行きているんだろう?
枝の“仕上がり”を見てごらん、下枝の処理などいらないほど、無駄な枝姿が無いよ!
ああいう樹を作らなきゃダメだよ。よーく見ておくんだよ」
愛弟子達にかける言葉のすべては、次の日本の盆栽界を託す子達へのメッセージにも似たものでした。
江蘇省盆景大会・実演公演・張主席邸・楊貴生大コレクション・昆山 孫邸・王永康邸・そしてこの黄山。
一週間に渡る旅で得たものは、それぞれに違うでしょうが、盆栽界に生きる者として、記憶に残る者となりました。
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【若き中国盆栽家が夢を掴む旅路を訪ねる】

3月26日から始まった木村先生との、中国盆栽公演旅行も、公式行事のすべてを終えて、
楊 貴生邸から『日本盆栽界との懸け橋』と言われる恩人、常州の王永康邸に向かう途中、
若干36歳の若さで、4万坪の一大盆栽パーク実現へと、着実にその階段を昇り続ける 昆山付近の孫邸を訪れました。
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“若い盆栽家で、将来とても有望な人物がいる”と、周りから言われてやっと辿り着いた孫邸。
予想に反しての夥しい数の盆栽達。
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中には国風賞を受賞した真柏名樹などもありました。
「4万坪・政府援助 約100万元・一期工事は夏までに盆栽園・そのあと喫茶店・ホテル・盆栽公園と整備は進みます」
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木村先生の訪問を緊張しながらも大歓迎してくれた孫氏は、ゼロからのスタートでここまで来た道のりを私達に語ってくれました。
同行した藤川・森山両氏も 只々感嘆するばかり。
発展する中国盆栽界を現実に見ると、「私達は何をしているのだろう?」と、
日本盆栽界の現状に多少の憂いを覚えるのは私だけでしょうか?
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【時価30億円! 世界最高の盆器コレクション 蘇州 楊 貴生 邸】

蘇州での実演日程を終えて、木村先生と私たち一行は、
古渡盆器の至高 最大のコレクション
「楊 貴生 盆栽 盆器 コレクション」を 拝見に訪問しました。
存在感ある楊先生は、温厚で心優しい 盆栽と盆器を愛する 中国盆栽界で尊敬の的の人物です。
「古渡盆器の至宝」と謳われる 李鴻章旧蔵の烏泥を中心に、
息を呑む名品が数百点の単位で収蔵されている特別室は、木村先生・藤川君・森山君 皆が言葉を失う程でした。
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庭園の盆栽も同じく、数百点の真柏と黒松を中心とした 名品達、
そして何よりも木村先生が感嘆したのは、“10年後を見据えた段階的な樹作り”です。
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無駄枝を敢えて伸ばし、ふところの大切な枝を細やかに作ってゆく。
明日を完成にするのではなく、その樹が本当に持つ 力量に見合った時間をかけた培養計画。
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特に 中国奥地から山採りで採取された圧倒的な年輪と太さを持つ真柏の原木群は、
木村先生をして
「森前君、私はこんな素材を思い切り残された人生で作ってみたい!何とか日本に運んでほしい」
と言わしめる 日本国内では既に手に入れることは不可能と言える内容の逸材達です。
“先生の為にも、必ず この未来の名品達を日本に運んでみせる”
 子供のような眼差しでその素材を見つめる先生を見て、胸に誓う訪問でした。
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